生活者ネットニュースこだいら No.63

「ごみゼロ社会」をめざして
 家庭ごみの容積で6割を占めるといわれる容器包装。最近いろんな容器がリサイクルされるようになりましたが、出回っている容器そのものの量はむしろ増えています。1997年に本格施行が始まった容器包装リサイクル法は、容器包装ごみを減らすための法律だったはずなのに、実際には使い捨て容器をどんどん生産し、大量リサイクルのしくみをつくっただけです。「ごみゼロ社会」をつくっていくためにはこのしくみを変えて、使い捨て容器を生産しにくくすることが必要です。

「廃棄物会計」調査
 ハイキブツカイケイ調査、なんだか堅苦しく難しそうな調査ですが、ごみの処理やリサイクルに税金がどれだけ使われているかを細かく調べたものです。昨年は全国160自治体が、今年は約230の自治体がこの調査に協力してくれる予定です。もちろん小平市もそのひとつです。
 例えばペットボトル。小平市では容器包装リサイクル法にのっとってリサイクルされていますが、これに税金がどれだけ使われているのか調べようというわけです。ステーションに出されたペットボトルを委託業者が回収し、リサイクルセンターに運びます。そこで袋から出して選別・圧縮・梱包して指定事業者に引き渡すまでが市の仕事になっています。 実は、ペットボトルやびん、缶など種類ごとにリサイクル費用を割り出すのは、そう簡単ではありません。例えば人件費を考えると、同じ人がペットボトルにもびんや缶にも携わっています。業者も種類ごとに委託しているわけではないので、振り分け方をどうするかで、金額に大きく違いが出てきます。
 小平市で出したデータは、直接経費以外は重量で配分したものです。ですから、ペットボトルのように軽いものは金額が低く、ガラスびんのように重いものは金額が高く出てきます。


調査から見える矛盾
 このようにして計算したリサイクル費用は、ペットボトルで年間約3800万円(2001年度)にのぼります。指定事業者に渡ってから再商品化するための費用は企業が負担しており、企業負担の割合が少し増えてはいますが、それでも引き渡すまでの自治体負担のほうが多いのが実情です。今年はまだきちんとしたデータが出されていないので、昨年の全国調査の結果から見ると、容器包装全体では約7割が自治体負担、つまり税金です。これでは、企業が真剣にリデュース(発生抑制)、リユース(再使用)に取り組もうとはしません。店頭から一升びんやビールびんが消えてしまったのは、ここに原因があるのです。

容器包装リサイクル法の改正を
環境に悪影響の多い使い捨て容器を使う企業は、損をするようなしくみに変えることが必要です。そのためには、現在税金で負担している収集・選別・圧縮・保管などの費用を商品価格に含め、それを購入する消費者が負担するように法律を改正することです。そして、大量リサイクル社会から「ごみゼロ社会」への転換をはかるために、リデュース、リユースがもっと進むようなしくみをつくることが必要です。
 おおぜいの市民の力をあわせて、国に法律改正のはたらきかけをしていきましょう。みなさんのご協力をお願いします。


生ごみリサイクル交流集会に参加して
 
私達が生活する限り出続ける生ごみ、燃やされるごみの40%が各家庭から出される生ごみで、水分が多いため燃焼温度が下がりダイオキシンの発生にもつながり易いという現実の中、少しでも生ごみを減らすため実践している方法が発表されました。
 生ごみを乾燥処理しそれを直接生産者が畑に入れている事例、行政と協働して回収した一時処理物の肥料化ルートを模索している小平の事例、生ごみに嫌気性菌を混ぜて土に返す方法を行っている事例など、さまざまですがそれぞれに長所も短所もあります。他に、ガス化溶融炉の説明と問題点、バイオガス化プラントの取り組みをしている自治体の話もあり、情報盛りだくさんの集会でした。日常生活の中で自分に合った方法が選択でき、継続できることが大切だと思いました。なんといっても毎日出てくるものですから…。

苗村洋子のわいわいコラム

今って暗い時代?
 
確かに不景気で失業率は高い、 仕事はない、給料は下がる。お まけにテロだ犯罪だ、治安が悪 い。子どもは息苦しそうだし、 大人も八方ふさがりの閉塞感が いっぱい。なんだかほんとうに 生きにくい世の中になっている のかなあと、ため息が出てきます。
 でも、テレビのニュースで「ただでさえ暗い時代に、こんな事件が起こりました」なんて言葉を聞くと、これには違和感があります。今ってそんなに暗い時代なんだろうか?それじゃ、明るい時代っていつだったの?みんな再びバブル期を夢見てでもいるのだろうか。マクロ的に見れば、戦後の高度経済成長期はまだ貧しい時代だったし、その頃のツケとして公害問題や汚職などが出てきました。バブル期には多くの人が踊らされ、そのツケを今でも引きずっています。これらの反省に立って、成熟社会をつくっていくことが求められているんだと思います。
 9月議会の長期総合計画についての答弁で、市長は「バラ色の未来は描けない。」と述べました。市長の言葉の真意はわかりませんが、都市整備や公共施設建設にどんどんお金を使い、エネルギーもバシバシ使うような社会が、明るいバラ色の未来なのかと考えると、私はNOと言いたいと思います。
 もちろん今が明るい時代だとは思いませんが、暗い暗いと言いつのるのもどうかと思います。今世の中をおおっている閉塞感の原因は、経済の低迷がきっかけで出てきたさまざまな矛盾や表面化したひずみなのではないでしょうか。これは経済が上向きになるだけでは解決しませんし、もちろん懐古趣味で解決できる問題でもありません。今の時代を生きる私たちが時代を冷静に見つめ、懐古(回顧?)に逃げることなく、ひずみを直すために努力していくことだと、肝に銘じておきたいと思います。

男の料理教室に関わって      `島 弘子
 
16年前に社会福祉協議会の個人ボランティアの仲間と、こんな教室があったらいいな、という思いで始めた「男の料理教室」が、この10月に300回を迎えました。
 家では今まで一度も台所に立ったことのない人、奥さんに先立たれた人、定年になったのを機会に家のことを少しでも手伝おうという思いで入って来た人など、いろいろな料理のよく分からない人達と料理を作って食べて、楽しくやってきました。 私たちボランティア二人は、献立を考え、一度も料理を作ったことのない人が読んでも分かるように悩みながらレシピを作ります。参加している人たちは、いろいろな失敗を繰り返しながらもだんだん上手になってきて、教室で覚えた料理やケーキが家で喜ばれたとか、奥さんの旅行中や入院にも食べることに困らなかったと言ってくれるメンバーもいるこの頃です。
 大きな目立つような仕事ではありませんが、私たちを必要としている人がいて、それに答えられる私たちがいる。楽しみにして来てくれて、元気な顔を見ることができればこれで十分と、今後も続けていきたいと考えています。

                                           戻る