生活者ネットニュースこだいら   No.69

  市民が担う これからのまち  広がる市民活動

 
1998年NPO法が施行され、多様な市民活動がそれまでに増して活発になりました。小平市でも福祉や環境などさまざまな分野で、市民による活動や事業が行われています。また、市民と行政との関係という観点からも変化が見られます。国でも自治体でも、新たなしくみや計画をつくる際にいろいろな参加のチャンネルを用意したり、広く意見を聞くパブリックコメント手続きをルール化するなど、行政だけでものごとを決めるのではなく、多かれ少なかれ市民意見を反映させる取り組みをすすめています。これにはさまざまな要因がありますが、行政や政治に携わる人たちも含めて市民意識が醸成されてきたことの表れです。そして、意見反映ばかりでなく、多様なニーズに対応するため、市民によるNPO(非営利団体)が事業の担い手として重要な役割を負っています。

自分たちのまちのことは自分たちで決める

 先日実施された市長選挙で、市民団体が主催した候補予定者の公開討論会が2回開催されました。どちらも、市長候補が自分たちのまちを今後どんなまちにしようと考えているのか、直接聞いてみようという企画です。 政治離れが言われて久しくなりますが、こうした市民団体の取り組みは、自分たちのまちのことを決めるのはここに住んでいる市民なのだということを再認識するとともに、選挙に対して多くの人の興味を引き出し、参加を促すねらいがあったと思われます。全国に広がっている活動ですが、市民が自発的に開催しているところが、昔開催されていたという立会演説会と違い、自治的なところです。

市民がつくる自治基本条例

 このように自発的な活動が市民に広がり、さらに市民活動が豊かになっていくという好循環が、小平市でも起こりつつあります。生活者ネットワークで提案している「自治基本条例」づくりは、こうしたことを背景にしています。自治基本条例は、自分たちの自治体を運営するために必要な理念、制度、原則を総合的・体系的に整備した条例です。このような条例をつくり生かしていくことによって、自らの自治を自分たちの手で確実に広げることができるのです。自分たちのまちを自分たちで描くために、おおぜいの市民の手で条例をつくりましょう。

 

苗村洋子一般質問

新条例とアクサグラウンドの開発について
  花小金井5丁目と東久留米市の市境にある旧アクサグラウンドの開発を、東京都が許可してしまいました。4m幅の私道しかアクセス道路がない袋地のような土地です。今年4月施行の「小平市開発事業における手続及び基準等に関する条例」が具体的にどういう効果をもたらすのか、今回の開発計画を例に検証しました。
  この条例には、開発計画の事前周知や公園・緑地の確保、最低敷地面積の規定があります。これの適用によって、開発の内容を少しでもよくするという、言わば条件闘争には効力を発揮します。しかし残念ながら、開発行為の是非について条文解釈の例を挙げて質したのですが、開発させない結果を導き出すことはできないということでした。業者とは、5m幅の生活道路を確保しなければ都も市も完了検査に応じないと約束しています。
少なくともこれを守らせることは当然ですが、条例などのローカルルールが決定できる範囲をいかに拡げていくか、都や国との関係を含めて、市民にいちばん身近な自治体がそれを考えていかなければなりません。今後も提案していきたいと思います。
「雨水の貯留と利用で水循環のまちを」では、合流式下水道の改善計画策定を期に、雨水貯留と利用をもっと積極的に進めるよう求めました。

 

岩本博子一般質問

インターネット子ども教室について
  昨年度、3学期に市内12の小学校で実施された、インターネット子ども教室について質問しました。
  これは、NTTコミュニケーションズなどによって構成される子どもメディアフォーラムが文科省から委託を受け、教育委員会を介さず直接学校と連携し運営していくという新しいタイプの事業です。子どもたちが、パソコンを使用する際のルールやマナーなどについて体験を通して学ぶこと、また放課後や土曜日の子どもの居場所の確保を目的として、各学校で土曜や放課後の時間帯に10回程度のプログラムで行われました。
  この事業について、「準備期間が短く見切り発車的に始められ、地域のボランティアに丸投げされたような感があり、現場が混乱した」「提供された教材だけでは不十分」「業者・学校・教育委員会の連携がとれていない」などの課題を指摘しました。次につなげるために、現場の講師や子どもの声を聞き、今年度の事業をきちんと総括すること、メディアフォーラムに改善点を要望すること、各学校のボランティア同士が意見交換できる場を設定することなどを提案しました。今後の地域のボランティアの活用については、丁寧なプロセスときちんとしたコーディネーターが必要であることも強く要望しました。
  福祉有償運送(移動サービス)運営協議会の設置については単独設置、広域設置それぞれのメリット、デメリットを考慮し、近隣市とも一緒に検討しNPOの事業に支障のないようにしていくとの答弁でした。

暫定予算になりました

  3月議会では、新年度予算が審議されます。4月初めに市長選挙があるにもかかわらず、例年通り1年間のフル予算が提案されました。これについては、市長の任期が4月10日までであることから否決しました。市民生活に影響のないように暫定予算を組むよう求め、2ヶ月間の暫定予算となりました。5月には新市長のもとで新たな今年度予算が出され、議会で審議することになります。
新市長 誕生
 
  4月3日に行われた小平市長選挙の結果、小林正則さんが当選し新しい市長になりました。小平・生活者ネットワークは「市政を変える」という思いから小林正則さんを応援しました。
  今回の選挙では、現状と実行の期限、費用の試算などを具体的に記述したマニフェストを作成し、市民から政策をみえやすくしたことが評価されました。作成にあたっては、情報公開や、市民参加を基本理念に自治基本条例の制定をうたうなど、かねてからのネットの主張も盛り込むことができました。
  新市長は、マニフェストの約束通り、自転車で登庁し、5月にはタウンミーティングも予定されています。多くの市民がかかわり議論することで、小平をより住みやすいまちにしていくことができます。ぜひ、私たちも参加していきましょう。
◆編集後記
  市長が変わるとまちも変わる。これからの小平市に期待を持って注目!

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