「容器包装リサイクル法の改正に向けて」


 ごみの発生抑制は、国全体の課題として事業者も市民もともに取り組んでいかなければなりません。しかし、これまで環境省や経済産業省の各審議会で、容器包装リサイクル法見直しについて議論されてきましたが、その中では容器包装の発生抑制を実現するしくみをつくろうという気運を見出すことができない状況です。
  一方、容器包装も含めた廃プラスチックの処理については、2004年の東京都廃棄物審議会、2005年の環境省中央環境審議会でサーマルリサイクル(熱回収)への方向が示されました。確かに、廃棄物の処理を行っている自治体にとって、増え続ける廃プラスチックは非常にやっかいな問題です。軽くてかさばるため、埋め立てには不向きです。また素材が多様で複雑なため、マテリアルリサイクル(再生利用)にも難点を抱えています。しかし、サーマルリサイクルという名の焼却を安易に認めることは、多くの添加剤を含む廃プラスチック焼却の安全性への不安と、プラスチックごみの発生抑制に寄与しないという2つの理由から、たいへん問題があります。特に、容器包装のその他プラスチックの分別回収が一部の自治体に留まっている現状では、廃プラスチックが焼却に流れていくことによって、マテリアルリサイクルしやすいように材質の統一を図ることや、リユースびんを復活させて環境負荷を軽減することなど、本来事業者が果たすべき責務を求めることさえ不可能になってしまいます。そして、自治体では分別回収することもなく汚れたものや材質の違いに関係なく燃やしてしまえばいいのです。つまり、事業者は作りたい放題、あとは税金で焼却処理をするということになり、循環型社会形成推進基本法で示されたリデュース(発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)という3Rの優先順位に逆行することは明らかです。
  そして、このような焼却への動きが、容器包装リサイクル法改正の議論に影響していることは否めません。環境省は2005年5月に出した基本方針で、廃プラスチック類について「まず発生抑制を」「次に再生利用を」と述べていますが、発生抑制の手立てを講じないまま焼却への流れをつくることになってしまいます。ごみ問題を含めて環境問題が地球規模で逼迫している現在、法改正の視点は、ごみになるものを減らす発生抑制に最も力を注いだものでなければなりません。

「容リ法改正を求める小平市民会議」より提出された「プラスチックを安易に焼却することなく発生抑制の実現を求める意見書提出について」の請願が2006年3月13日の生活文教委員会で審査されます。

関連ホームページ
  容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワーク http://www.citizens-i.org/gomi0/