■国立遺伝学研究所 宿舎2号棟
広大な研究所内の西エリアに建つ宿舎棟2号棟である。所内は桜など大きな樹木に囲まれ、本計画地は南側には実験水田、東側に駐車場、北側には宿舎1号棟、西側には水田用貯水池がある。14戸からなる宿舎は、そのスケール感を抑えるよう2つに分棟し、そこに生まれたスリットから南側の雰囲気を、1号棟との間に生まれた中庭で共有できるようにした。西側の棟を少し南にずらし1号棟との距離を置くことでお互いの生活干渉を和らげ、そこに生まれた中庭が住人のコミュニティー広場として機能することを意図した。
住戸は全室、南への眺望が開けて、室内でも視線距離を確保し、玄関から少し下がることで居室の天井高を高くして、ゆとりある生活を送ることのできる環境を作った。
所在地:静岡県三島市
敷地面積:984.27m2
建築面積:283.84m2
延床面積:401.34m2
主要構造:鉄骨造
規模:地上2階
施工:加和太建設
写真:上田 宏
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