Word By 藤井美保
水曜日に「山の声」の稽古場にいきました。
えびさんとムラオさんとこずえさんがいました。えびさんとムラオさんが何回も何回も雪山で遭難する※1ので、見ているあたしも足の中がじんじんしたり、はながこおったり、口の中でチョコレートをとかしたり、大変な疑似体験をしました。 二人ともセリフはほぼ完ぺきでどんどん吹雪の中に引っ張って行かれます。非情と絶美…山ってすごい。宇宙の始まるビッグバンのちょっと前みたいに、真中に凝縮したムラオさんの顔とエントロピー増大の法則によって拡散したえびさんの顔。※2黒い顔と白い顔、このコントラストを広いおでこという共通点でまとめるというこのセンスにうなりました。 途中でキムチさんがショートカットの髪形で入ってこられました。まじめなので、プロンプを 入れようと台本を見ておられました。が、役者のお二人は見事にセリフを制覇していました。ほとんど淀みなく…。 そして無骨ともいえる音楽が流れます。それをきいていると大竹野さんは、これっぽっちも「ええかっこしい」じゃないんだなあと感じ入ります。大竹野さんは、よく「撃つ」って言葉を使ってたけど、どうしようもない悲しみや不条理に対して撃ちまくって、泣きながら撃ちまくって、束の間ひらいた風穴の中に、ぬくい場所をつくって、みんなを入れてあげてたのかなって、あたしが書くとすごくうすっぺらくなって申し訳ないけど、大竹野さんの作品の中で亡くなっていったたくさんの人たちがあたたまっているように見えるのです。 「山の声」を見てたら「大竹野さんお帰りなさい」って思うのは、あたしだけじゃないと思います。 PS ことぶきには、キムチさんとこずえさんとあたしと男子1名とあとからKちゃんがきましたが、とってもお仕事が忙しくてくたびれていました。Kちゃんお大事に。 本日のことぶき代4人で2500えん-300えん 300えんは男子1名のおこずかいになりました。 |