大竹野正典 著
四六判/125×187mm/368頁/検印・シリアルナンバー入り/別冊付き
コデックス装/スリーブ帯/天アンカット/2013年
刊行委員:小堀純/小栗一紅/後藤小寿枝/高岡孝充/塚本修/広瀬泰弘/松本久木
造本設計+DTP:松本久木 装丁:高岡孝充
定価:2940円(税込み)
私のするべき事は全て私の人生の中に収まっていたんです
人生の間尺は時間の長さではありませんわ
だからお義兄さんは何も泣く事など無かったのですよ
「大竹野正典劇集成U」である。昨年発刊したくじら企画時代のTにつづき今回は大竹野の二十代から三十代の戯曲 ―― 犬の事ム所時代の作品六本とエッセイ四編・詩一編を収録してある
。
私が大竹野を知ったのもこの時期である。(中略)
彼はいつも勤め先のネームが入った上着を着ており、仕事の帰りに事務所に立ち寄ってくれた。
”働く演劇人”であった大竹野だが、私の前に現れた時の貌は”作家”以外の何者でもなく、人懐っこい笑顔の裏に一瞬、狂気の淵がみえた。自作を語る端々に読書家らしい教養――知性を感じた。この男は単なる思い付きでモノを書いたりは決してしない。体躯も頑健そうだが、書くものの土台がしっかりとしている。作品は現代の矛盾を照射した同時代演劇だが、大竹野には長谷川伸や藤沢清造といった、どこか近代の作家のような、そう、「文士」と呼びたい風情があった。 (後略)
”最後の文士”大竹野正典(「大竹野正典劇集成U」の巻頭を飾る、刊行委員長 小堀純氏の文章) より。
●収録作品●
『夜が掴む』
『Kのトランク』
『リボルバー』
『トーフの心臓』
『サラサーテの盤』
『ドアの向こうの薔薇』
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