雪の道

出かける支度をして二人で寮の外にでると、雪が降っていた。
「寒いと思ったら……。傘を取ってこようか?」
 そう言いながら篠宮は、首に軽く引っかけていただけの俺のマフラーに手を掛け、しっかりとまき直し始めた。
「かまわん。バス停まですぐだ。降りも少ないしこのまま行こう」
 そう言って俺は篠宮のコートについているフードを、篠宮の頭に被せる。
 少し驚いた顔をしてから、はにかんだように微笑む篠宮に、俺も思わず笑っていた。

「手袋もはめなくていいぞ」
 マフラーを直し終わった篠宮の手を握る。
 握ったまま俺のコートのポケットに手を入れた。
「中嶋!」
 慌てて篠宮は周囲を見た。
「誰もいない」
 俺はいたってかまわないが。
「バス停までだ」
 雪の向こうの困った顔を、愛しいと思った。

 バス停まで二人で歩くの雪の道。
 握りしめ、握りかえしてくる手の優しさが、ただ暖かかった。



(SS:聖京様)




************************************************************


こちらの中篠作品は、聖京様主催の同盟『篠宮の会』で開催の『篠宮生誕会』投稿作品でした。
そして、私の絵を元に、元締め様がミニ創作を付けてくださったのです!(感涙)
こちらにまで暖かさが伝わってくる優しいSSで、本当に自分の拙い絵からこんなに素敵なSSを創作して下さって、
感無量です!!(涙)この絵も本望ですっ!!

絵のコンセプトは『無邪気に笑う篠宮』でした。
目上の人に対する敬いの態度ではなく、年下に見せるお兄ちゃんの顔でもなく。
という事で、同年代な中篠にv
篠宮の誕生日なので、中嶋もありえないぐらいに優しくv
中嶋にマフラーを巻いてあげる篠宮に、篠宮にコートのフードをかぶせてあげてる中嶋です。

幸せな二人、大好きです。いや、痛くて切ないのも同じぐらい好きなんですがね(笑)
もう、どっちのシチュエーションが好きかなんて選べない…。
中篠が中篠であればそれでよし…(大雑把)

篠宮〜vお誕生日おめでとう!!生まれてくれてありがとう(大真面目)
今年も益々篠宮受けで走ります〜v