after the game×niwashino





迎えた絶頂に、くんとしなったキレイな身体。そして全てを使い果たしたかの様に、ぐらりと崩れて来た胸を伸ばした手で支えて、ヒトイキ。ナンだ、上はイヤだナンだと散々ごねてたわりには、ちゃんとイくじゃナイか。そう、薄く汗が滲んだ肌をそっと摩りながら、薄い笑み。トコロが。
「・・・篠宮?」
聞こえてきた、小さく規則正しい、長い息。ソレはいわゆる『寝息』と言うヤツで。おいおいウソだろ、まさかこの体勢のまま寝たのか?でもこの様子はどう見ても、寝ているとしか言い様がナクて。
確かにお互い、寝る間もナイくらいに忙しい日々の隙間を、ようやく合わせて作ったこの時間。ソレでも、俺には(根性と手癖は最高に悪いが)腕は一流のサポートがいる。なので多少の無理や融通は、後が恐いが利かせるコトが出来る。でもコイツに、ソレはいない。だから『寮長』の仕事も『部長』の雑務も、全てを自分で段取り、仕切らなくてはならない。加えてあの、極度のおせっかい焼きと面倒見の良さ。イラナイコトに首を突っ込む頻度も深さも、半端じゃナイ。そう思いながら、すっかり寝入って重くなった身体をそっと降ろす、ハダカの胸。そして。
「・・・ん」
胸の上に淡い影を落としてた長い睫毛が、不意にふるりと揺れて震える。次いでゆっくりと動き出す、その毛並みに縁取られた薄い瞼。その様子に、声を掛ける。起きたか、良く寝ていた。ああ、ナンだかヒドく眠くて。そして自分の体勢に気付いた顔が、申し訳なさそうに告げて来る、ヒトコト。すまない、重くなかったか。その顔に向かい、意味深な笑いと切り返しをする、俺。いや?重いってか、気持ち良かったな、俺は。気持ち良い?ナニを言ってるんだ、全く。そう、俺の言葉に苦笑を零しながら、乗っていた身体をずらそうとした時。
「なっ・・・!?」
上がった声と、かあっと火を吹きそうに染まった頬に、こちらも思わず、くっと失笑。そんな俺に向かい、いつものハッキリした滑舌はドコへやらの引っ掛かり具合で、コトの次第を求めて来る顔。に、丹羽、にわっ、コレはどういうっ。だから俺は、努めて冷静に正確に事実を伝える。どういう?ソレは見ての、感じてのとおりだぜ。そして言いながらさり気なく、でも素早い動きでがっちりと押さえ込む、ハダカの腰。その動きに、しなやかに跳ねる背中のライン。バカ、放せっ、早く降ろせっ。
「いや、ソレよりナニよりっ」
「ナニより、ナンだよ」
「・・・だから、そのっ」
切り返しに、益々染まる頬。その淡い赤は首や目元、全身の肌にまで飛び火をし、アイツの必要以上に固くて強い理性を、じりじりと地味に焦がし出す。そんな様子に、意地の悪い囁き。
「抜いて・・・、欲しい?」
「にわっ!!」
言葉に、更に鮮やかに色付く全身。弓の様にしなやかな眉根は切なく寄って、キツい目元もふわりと緩む。ナニを言いたいかは判る、気持ちも判る。でも悪いが、俺はそんなに出来た人間じゃねえんだな。しかも相手がお前じゃ、尚更で。そう、どうにも気まずそうな、でも感じ始めた感覚は隠し切れないらしく、所在無さげに視線を彷徨わせる姿をくすりと笑い、
「俺はずっと、このままでも良いぞ・・・」
いっそこのまま繋がったまま、お前の中で溶けちまえば良いとすら思った。言いながら与える軽い振動に、今まさに得意の小言を零そうとした口から漏れる、小さな甘い息。その様子に、再び燃え上がる劣情。
「ホントだぜ、お前に溶かされるなら本望」
冥利に尽きるな。そして思いつくままに零す囁きに動きに、濡れた瞳が声が悔しそうに、でも何処か甘く答える。馬鹿者、ナニをっ。
「・・・愛してる」