彼女はいつも、標的が一番早く楽に逝ける急所を狙い刀を振るう。
　その刀の描く軌跡は見事で、寸分の狂いも無く標的の急所へと吸い込まれる。それと同時に今まで標的だった者の生命を刻む拍動は絶たれるのだ。
　その様はまるで、土に根を下ろす植物が大地に降り注ぐ雨を静かに浴び吸い上げるような自然な流れを生み、刃の切っ先から標的の生命が山本武の体内に滑り込んでいく錯覚をオレに起こさせる。


　冷静に見える一連の動作の陰に、どれだけの恐怖や迷い葛藤を押し込め蓋をしているのだろうか。
　皮肉な事に、そんな感情を押し込め詰め込むほど振るう刀は冴え渡り、敵を斬りつけ葬る刃は山本自身を切り刻む。

「獄寺…大丈夫だから心配すんなって」

　そんな言葉が聴きたい訳ではないと、返り血でぬめる山本の頬に手を伸ばし熱を持った唇を塞ぐ。
　敵の血溜りの中、互いの舌を絡め合い息を上げる様は正気の沙汰なんてとっくに投げ捨てている。


　それでもオレは、青空の下できれいに笑う山本を捨てきれないで居るのだ。


　（きっと、この世で一番残酷な刃を山本に振るっているのは、このオレだ）


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いきなりのにょたけしですみません…！！！
女体化もいけるのは山本が初めてです。恐るべし山本武。どんだけ人を萌え殺せばいい！
女体化山本であまずっぱげな三角関係とか四角関係とか…ようはツナも獄寺も雲雀も皆山本が大切で可愛いよねってそういうのもやってみたいですね、ニコ！