僕が想いを告げる度に、アナタはどんどん傷付いて行く。言葉は心に醜いヒビを、指は爪はその薄くてぴんと張った皮膚を無惨に切り裂く。けれども僕にはどうしようも出来なくて、ただただ惚けた様に、その真っ赤な切れ目を見つめるばかり。








僕の下の、身体。引き裂かれて汚されて、でも、ソレでも美しさを失わない身体。乱れてしまった豊かな黒髪、焦点を無くした漆黒の双瞳。尖った鼻筋に頤、すらっとした首。何もかもが薄淡くて曖昧な僕の見かけとは違う、しゃんとした輪郭を持つアナタ。ソレはまるで触れたら切れそうに鋭くて、しかしその懐はとても柔らかく温かいその身体を、改めて強くかき抱く。
「ごめんなさい、すみません・・・!」
口から零れる、相変わらずの言葉。こんなコト、したいんじゃナイ。もっと優しく慈しみたいのに、アナタが僕を労る様に、僕もアナタを労りたいのに。なのに抑え切れない悋気はいつだって、アナタの肌を心を焼き尽くしてしまって。アナタが誰かと眼差しを絡めただけでも、アナタが誰かと言葉を交わしただけでも、僕はほら、こんなにも乱れてしまう。
アナタは僕のたったヒトリの『Majesty』とは違う、でも僕にとっては何よりも大切なヒト。他人を拒んで、誰にも本心を見せなくて。いつだって作られた笑顔だけしか持たない僕。そんな僕にまで、アナタは優しく心を砕いてくれる。ソレはまるで聖職者の様な思い遣り、だからちゃんと判ってる。アナタの愛は分け隔てなく、誰にでも注がれてるモノだって。なのにソレを独占したがっている、僕がいて。
「・・・七条」
耳に滑り込む、穏やかなトーン。どうした、俺なら大丈夫だから。だから。
「泣くな・・・」
弓を引くせいで、少し固くなってしまている指先が、僕の頬を髪をそおっと撫でる。
そして初めて気付く、僕がいつの間にか泣いていたと言う事実に。次いで堰を切った様に溢れ出す、慟哭。すみません、また僕はアナタを。震える声で繰り返す、既に何度目か判らない謝罪の言葉。すみません、赦して下さい。ソレを遮るのは、柔らかい声と言葉。
「判っているから、全部ちゃんと判っているから」
僕は愚かな盲信者だ、こんなにもアナタに癒され導かれていると言うのに、その胸に尖った刃を突き立てるコトしか出来ない。なのにアナタは笑顔でソレを受け止めて、その長くてしなやかな腕(かいな)を開いて、僕を罪ごと受け入れて。












抱き合うコトは、祈りに似ている。そう、僕は祈っているんだ。神なんていない、いもしないと判っていながらも、必死になって祈っている。



神様、どうかこの美しいヒトを僕がこれ以上穢して壊してしまいません様に、と。




『殉教者』




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初チャレンジ七篠ですが、ビミョーにテイストが王子とセンセイ(ときめもGSの人たち)です(笑)す
みません、丹羽中篠が難しくて、つい逃げました。でもイマイチ、消化不良なカンジ。ダメじゃンもう〜。
年下×年上なんで似ちゃうのかな?年下の、ギリ攻め。どっちも表面穏やかそうで、
でも実は中身は一杯イッパイで腹黒で攻撃的っていう。でも臣の方が状況はイイか?
氷室こんなに優しくナイから。ナンにしろ痛いね、うん←またかよ。

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私は、このお話しでまんまと七篠に堕とされました(笑)
ましゃさんの策略(笑)で私が七篠におとされるまでの経緯が、以下のメッセログにありますので、気が向かれましたらご覧下さいませ〜。
尚、以下のログは痛い系の七篠妄想ですが、二人とも幸せほのぼのな七篠も大好きですので…!

以下ログ(軽く編集してます)

ましゃ:臣、かわいい。七篠も良いなあー
黒須:七篠良いよね〜v年下の敬語攻めだよ
ましゃ:年下弱いんだよねー(笑) つか、また裾野を広げてしまうからっ
黒須:そうなんだよー!私も年下攻めに弱い!(笑)なんかさ、イイよね!普段は温厚なんだけどさ、中嶋とかと楽しげに話してるところを目撃なんかしたらサ・・・回りくどい嫉妬をしそうだよねー

ましゃ:顔は平静でいながら、手とかふるふるしてんだよ(笑) 今にもキレそうで
黒須:そして、めちゃめちゃ暗い目をしてるんだよ!西園寺とかが見たら一発で判るんだ、捨て犬みたいな目
ましゃ:なかじーは鬼畜だから、ヒドイコトしても平然とヘラヘラしてて。でも臣はやった後に激しく後悔、自分もイジメられっコだったから理不尽な攻撃の辛さは知ってる筈なのに。

黒須:そんな優しいおみぃが好き。ホント、臣はさ、自分の好きな人に見捨てられる・・・と思ったら、もう内面は凄いぐちゃぐちゃになってしまうと思う。でも、あの笑顔で周りには気付かせないんだけど・・・。あわわ、切ないよ七条!
ましゃ:捨てられたり嫌われたりするのが怖くて怖くて、だからもの凄い執着してさ。そんなギリな状態だから、つい攻撃的になっちゃって。そしてはっと我に返って、めっちゃ後悔と罪悪感に苛まれると良い。ごめんなさい、すみませんと謝りながらも、また同じ事をしてしまう(痛いなあ?

黒須:七条ってさ、こういう篠宮さんみたいに真っ直ぐな人に凄く弱いと思うんだよね。なんか凄い良いよ、七篠…!
ましゃ:そして篠はそんな臣の心情をちゃんと汲んであげてるから、どんなコトされても耐えてくれるんだよ。大丈夫だから、ドコにも行かないから。どんなお前でも嫌いにならないからって。西園寺の圧倒的なカリスマとは違う、穏やかな空気。ソレに臣は癒されて魅かれるんだよ

黒須:臣をちゃんと受け止め受け入れてくれる、どんなお前もお前だよ・・・って。すごいイイ関係じゃないの、七篠v
ましゃ:いえーい、良いカンジ?

黒須:凄いよ!七条こそ、篠宮を必要としてたんじゃないかとさえ思えてきたよ(笑)そして、それに絡む中嶋とかも良いねー(笑)
ましゃ:臣の抑え切れない執心っぷりで、傷だらけになっていく篠。周りは臣を諌め、ふたりを引き離そうとするけど、ソレを拒むのは篠の方。『離れたらダメなんだ、俺は大丈夫だから』と

黒須:周りから見たらもう、二人が痛々しくて見てられないんだよね・・・・
ましゃ:でもそんな状況を面白く思わないのが、鬼っコなかじー。篠に差程興味はなかったんだけど、臣嫌いが高じてちょっかいを掛ける。『ふん、下らない”ごっこ”だな』
臣も他の誰かなら大丈夫だったんだけど、相手はよりによって天敵のなかじー。篠を信じてナイ訳じゃないけど、あの鬼畜が相手じゃあ、自信もぐらついちゃって。
黒須:それでつい・・・ひどいことしてみたり??無視って見たり、いじめっ子になったりとか??
ましゃ:そうそう、で、疑心暗鬼。そしてがーっと攻撃的になって、そして後悔の堂々回り

黒須:そして、そんな七条を篠宮は判ってるからねー・・・。もう、やばいよ・・・七篠・・・開眼・・・!