暑中見舞い 篠宮編




「おい、七条。なにしてるんだ?」

七条の部屋でのんびりと過ごしていたら、七条が何か作業を始めた。

「あぁ、暑中見舞いを書いてるんです」

暑中見舞い。
もう、そんな時期か。
確かに連日猛暑続きだ。暑中見舞いにふさわしい。

「そうか、七条はマメだな」

「いえ、そんなことはありません。一応親戚や祖父母にもたまには生存表明をしないといけませんから」

七条は苦笑いした。

「そうか。大変だな。俺も友人に何通かは書くが、それくらいだな。」

「お友達にですか。篠宮さんもマメですね」

「そうか?地元の友達とはなかなか会わないからな、それくらいはしてるんだ。」

「羨ましいですよ。地元には郁しか友達はいませんから。」

「七条。」

俺は、たまらずに七条を抱きしめた。

「七条、俺にも暑中見舞いを書け。」

「でも、篠宮さんとは、毎日会いますよ。」

「そういう問題じゃない。俺もお前に書くから。」

許して欲しい。稚拙な俺にはこんな方法しかお前の寂しさを埋める方法がわからない。
側にいるから。
俺はお前を愛してるから。
きちんと言葉にできない思いを上乗せして、七条を見つめる。

七条はニッコリ笑った。

「ありがとう、紘司さん。」

午後は二人で暑中見舞いを書くことにした。



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こちらのSSは『臣狂』のカノン様から暑中お見舞いとしていただきましたものです。

カノン様の書かれる七篠は、篠宮が七条の孤独な部分を包み込むような愛情が感じれて、
すごく幸せな気分になりますv
二人で暑中お見舞いを肩を並べて書いてる姿を想像すると、自然と顔が綻んでしまって、周りに人がいないか
ついつい確認してしまうほどですv

穏やかな午後を過ごす二人の姿が、暑い夏の一服の清涼剤になりました!
カノン様!このたびは、本当に素敵な暑中お見舞いをありがとうございましたv
これからも、素敵な作品を楽しみにサイトに通わせていただきますv