K子のギャラリーヘようこそ




作家の制作意図  第1部

このページでは作家の皆様のコメントや、制作意図をお知らせ
したいと思います。作家達がどういう考えで、この作品に取り組んで
おられるのかが理解できて、感動を覚えます。





後藤令子 「天空」2010



ボンヤリ過ごしてます。
ふっと足を止め!空を眺め!雲の流れに
呼吸を合せ!想いにふけり!
ある時は目をとじ頭の中を空にしようと
努めじっと時を過し、自分の世界に
ひたります。
世の進歩の速さに敬!!
その中での問いが今の技法につながりました。
人間の持つ、手のぬくもりを大切にし、もっとも
単純な方法でと思い、油えのぐの強さの上に
和紙を通して出てくるやさしいカラーを求め
その上にやわらかいエンピツの筆圧によって
変化させました。
エンピツの部分は一日一日の記しのあかしです。

        モダンアート協会 絵画会員  後藤令子








尾崎 ゆみ 「FIL-FIL」2016




多量の使った銅版を整理していて、
天から降って来た一言、これで新しいものを
作れば良い。
いつでも新しいものを作らねば失礼だと
思い込んでいた。
刷りながら、これは貼りあわせが悪く
とんでもなくお叱りを受け、それがなぜか
俊英作家賞を頂いてしまったとか。
1日で版を作り刷った大きなものとか。
自分ではイマイチの作品と思いお倉にして
いたが部分を使ったらとても良い作品になった
とか。何か新しい発見があったりして
とにかく面白い。
そして子供のように夢中になって作る。
まだまだ発展途上の自分が面白い今日この頃です。

             モダンアート協会 版画会員 尾崎ゆみ
          




加藤勝久「白い影−画室の森−」F-130号




絵を描く者にとって、自分の描きたい
モチーフを目の前に置いてそれを観ながら
制作できることほど幸せなことは無い。
いろいろなモチーフがアトリエせましと置かれ
他人がみるとゴミにしか思えないかも
しれないが、私にとっては宝物なのです。
モチーフと画面に向かうと、私は素直になり
感覚を解放して自由になれるのです。


モダンアート協会 絵画会員  加藤勝久









石川早苗「花粉飛ぶ道」 F-130号




アメリカの先住人のナバホ族の人々は
言っています。
「ああ、私の前は美しい。私の後ろは美しい。
私の右は美しい。私の左は美しい。
私の上は美しい。私の下は美しい。私は
花粉の 道をたどっている」と。
ナバホ族が生命の源泉と称えたすばらしい
イメージの言葉に出会った時、そのうち
<花粉の道>を描きたいと長い間思って
きました。赤を使うことで少し近づけたかと
思います。
モダンアート協会 絵画会員  石川早苗





相馬 亮「one day 平和への祈り」162x182




one day 〜 平和への祈り〜
昨今、人間の尊厳や倫理観、命の重さを
考えさせられる出来事が多すぎるように
感じます。
『世界平和なんて、本当にありえるのだろうか』
そう考え始めたのが、今回の作品を
描くきっかけです。
この作品を通して、少しでも『平和』への
バトンを見る人に手渡しできたら、画家として
これ以上の幸せはありません。
モダンアート協会 絵画会員  相馬亮






阪井 ようこ 「vibration 光」2016




阪井ようこ   織作家

確かな技術の上にたって、大いなる遊び心を
表現したいと常に考えています。
ワイヤーと糸を見ていると体中からふつふつと
制作したいという情熱が湧いて来ます。
出来上がりは毎回違いますが、制作にかかる
労力は大変なもので、ワイヤーで傷ついた指を
労りながら織っていく。苦しいけれど、
やり甲斐のある仕事だと思って続けています。
今回の作品は、柔らかさと鋭さのコラボ。
今までに無いソフトタッチの作品になりました。
これからも「光と陰シリーズ」を展開しながら
未知の世界へ挑戦していきたいと思います。
             モダンアート協会 スペースーアート会員   阪井ようこ
          





加藤博康 「月への道」 F150




物心ついてから
死の恐怖を感じるようになった。
4年前に大病を患い
更に身近になった。
「死」をありのまま受け入れて始めて
真の生き方が出来ると云われる。
残された時間は楽しく充実した
生き方をして、もう少しましな
人間になるための制作をしたい。
モダンアート協会 絵画会員  加藤博康






赤穂 恵美子「光波」235x154 スペ−スア−ト




時空を越え、生きとし生ける(万物)の
全てをのみ込み、
無限に変容する光と水(海)の交叉
(色彩と形象と音の響き)を包み込んだ、
宇宙空間の一刻一時を捉えたく。
”染める”という手段で表現を
続けています。
 スペースアート会員 赤穂 恵美子














藤貫喜由子 「迷シリーズ (離・構)」 F200




「努力あるのみ」
何年モダンアートに出品しているのか。
懸命に努力して来たのか? と考える時がある。
過去の作品に対しても自分の思いをきちんと説明を
出来るのか? でも私は描きたい。
白、黒、ブルーにマゼンタの組み合わせで
皆さんが足をとめ、観て頂ける作品を制作したい。
しかしまだ、努力、努力です。
先は長い。
モダンアート協会 絵画会員 藤貫喜由子






藤田美恵子 「Tomorrow Sky」 200×150×10




金属を表現素材として意識したのは美大生に
なって から。硬い、重い、色の種類が少ない。
錆びる、加工時に火や薬品を使う。
しかも表面はとても傷つきやすい!
ホントにやっかいだけど、頼りにはなる。
一筋縄ではいかない素材を相棒に、千変万化の
存在への想いを形にしている。

モダンアート協会 スペースアート会員  藤田美恵子












谷村 敬八郎 「石の種」40×50×30




 巨石は人を畏懼させるが、小さな石で作る石彫は、
どこに本当の意味での存在価値があるのだろうか。
評論的に石を見ればさまざまな言葉があると思うが
結局は作り手も含めてその石彫を観る人が
今ココの己のいのちの運び(生きるエネルギー)を
実感する事ではないだろうか。
モダンアート協会 彫刻会員   谷村敬八郎









古倉 数也  「DARABOTIの幻想」145×97



 

 遠い遠い海のかなた
行けども行けども行きつかぬ
気がつけば やっぱり ダラボチの幻想や
ちょっとだらな男がみた 変な夢 海の中
そらのかなたか わけがわからん
気がつけば やっぱり
ダラボチの幻想や
     モダンアート協会 写真会員  古倉数也













 望月 文人 「LANDSCAPE」F100





材料  木、モルタル、ジェッソ、木炭、蛇口

私の作品を見て「作家は何かに怒っているの 
ですか?」という人がいます。
例えば、怒りや絶望といった閉息感の中にも
一点の希望を提示できればと作家は考えますが
『希望』というものが作家には、未だに曖昧で
朧げな幻想にしか思えないのです。
怒りを含めた心の揺らぎが創作のエネルギーと
なることは間違い無いでしょう。
作家を取巻く様々な現象の中で
『いかに生きていくか』その事が結局は、
作品作りそのものに他ならないのです。
     モダンアート協会会員  望月文人






 弥富充代 「風の旅  (小滝)」





鬱蒼とした山路を歩く
小さな滝に出会う。霧に巻かれながら小休止。
その細い流れに自分を重ねる。
”地味な人生だったなー”と相棒が笑う。
そんな日常から題材を拾う。
描く事の難しさ面白さを追って
叉旅を続ける。
モダンアート協会会員  弥富充代






  木島隆夫 「静謐の精祈・諸法実相15-9A」





 シルクスクリーン・水彩紙エクセル使用 
シルクスクリーンの魅力は、明解な色彩と
容易な製版技術によって映像情報を容易に
取り込むことが可能な点であり、
この特性は私の創作理念と極めて合致する。
即ち、映像を自由に融合させながら(フォトコラージュ)
自己のイマジネーション世界を構築すること、
写真の持つリアリズムと版を重層することによって
生まれる色彩の妙味に無限の可能性と魅力を
見出したのである。
この手法は決して独創的なものではないが、
シルクスクリーンの特性を正面からとらえた
手段であるかもしれない。
様々な生き物たちの織り成す生命(いのち)の 躍動をとらえた一瞬の映像は、私の重要なモチーフとして作品中のポイントとなる。
ブルーを基調とした空間に飛翔する鳥のフォルムは、パリの街を無限空間へと変容させる。
そしてそこはまた、祈りの静謐な空間でもある。
生命の躍動と仏教思想を創造空間の中で止揚していく・・・心躍る制作の瞬間である。

モダンアート協会 版画会員  木島隆夫






  田名部ひろし 「崩壊(追懐)」





タイトル 

「flowing」   F150  2015年出品作
星辰・しずく・花びら・月あかり・雪・
句読点・水玉・ほたる・・・有為転変
する形が、絶えず生成し、点滅し、変幻する、
つかの間の宙を映し得れば、と思います。


モダンアート協会会員 田名部ひろし










  野口眞木雄 「崩壊(追懐)」





タイトル 

「人はいなくなった。あるものは瓦礫と残骸」
1995年の阪神淡路大震災の時、
高架の高速道路が横倒しになった
映像を見て衝撃を受けて以来、
1986年チェルノブイリ原発4号炉の爆発や
2011年の東日本大震災・福島原発
放射能汚染を想起して「人の住めなく
なった世界」を表現してきました。
この作品は2014年に宮城、岩手を
旅した時の感想を絵にしたものです。
モダンアート協会会員  野口眞木雄





望月久子  絵画(2015 MOVE 1 )



 私達は、物事を見る時 半分ベールのかかった
状態で見ているのではないか
本当のところはどうなのか、クリアーに見て
みたいとという欲求があります。
半分良く見えない向こう側に何があるのか
そこに思い描く風景は、それぞれ違うことでしょう。
   モダンアート協会 絵画会員  望月久子











出水 徹   絵画 my being (私の中の私) 





 私の表現の核は自画像の表出にあると言ってよい。
自己存在の有り様は時間の推移と共に無限に
展開していく。
その瞬時の様相をアイロニカルな視線で捉えて
イメージ化する。
その繰り返しが創作の原点になっている。
 今回の作品はエロス(生)とタナトス(死)が主題と
なっているが、見る人の感性の震えを期待して
止まない心境である。

モダンアート協会 絵画会員  出水 徹







古川 鈴代  絵画 (衝撃) 


 家の近くに総合スポーツセンターがあります。
緑豊かな広いセンター内を散歩する時、孤独に
なれる時間に恵まれます。
30年近く何気なく眺めている馴染みの風景、そこから
目に映るすべての「物」が表現に結びついていきます。
 複数の異なる時間が折り重なるように存在している
木々。隣り合う木と木、繁茂する枝葉によって境界線は
存在しない。
風が吹く事で空間が生まれ、境界線の存在が明かとなり
ました。物相互の間に生まれる空間が物の存在を表し、
更に風・音・蒸気などの「現象」をもひき起こします。
  物と空間の関係を私なりの解釈で
「風景というもの」として描こうと試みています。
制作上の葛藤を了解した上で、描く事を楽しもうと
思っています。
                          モダンアート協会 絵画会員  古川 鈴代




オオミダイゾー 絵画   2015・白浜漁業協同組合・応接・会議室・表札のある.........




1960年代『イクスベル・録』は蝋燭の 
油煙だけで作られた、佐藤画廊・個展の作品だった。
叉、大小のロープに水性顔料を浸し、床に置かれた
黒いパネルに大上段から振り降ろされたそれは、
音を立てて形を作った。
一寸、残念だが、初期作品の数々は、保存が悪く
大地に帰ってしまった。
年を重ね、大上段に構えての制作は出来ないが、
生き、感じ、思った事を、一瞬の感覚で、
明後日か、弥の明後日に...........


モダンアート協会 絵画会員  オオミダイゾー













北詰真弓  絵画 




走れ!  疾れ! 奔れ!
前車の轍を踏んでいては抜き去れない
如意輪!(21世紀の)二十三夜待をする若者達
走れ!  疾れ! 奔れ!
雪風とともに  赫風とともに 星に導かれ
深山の桜へ  水底の輝石へ
翼は気を圧し 明るい荒野を 森林限界を
越境する
走れ!  疾れ! 奔れ!
千年の震えの前に
二千年の炎の輪舞の前に 七千年の冬の時代の前に
モダンアート協会 絵画会員  北詰真弓




本多栄子 版画   リトグラフ 120cmx80cm





有機的な形から生命が生まれてくる生成のイメージ。
記憶の中で動めいている命のかたちを見つけだす。
光の美しさ、影、風のゆらぎなど変化していく様に
ひかれる。
命の持つ豊かさや大きさをヴァイタリティーを持った
画面として表現したい。
黒の階調は静かな永久の世界を感じます。
白は画面の広がりと豊かな未知の世界へとさそいます。
出来るだけ版の重ねを少なくして複雑な階調を出す
ようにつとめます。
モダンアート協会 版画会員  本多栄子




山内恵美子    絵画     「ロス・タイム」



 

言葉にすると、なにか嘘くさい。
どう書いても一番言いたい事がこぼれ落ちた感じ
とは言え大好きな人間が出発点だから
あちこち寄り道しながらも気がつくと
人間(心やかたち)に戻っている。
いつまでも拙いなあと思いながら
描くとは身丈であり、自画像なのだと
自身に言い聞かせる日々


モダンアート協会 絵画会員  山内恵美子





五嶋 稔  絵画    「青い星の物語り」 





僕は常に鉛筆と紙を側に置いている。雑談をする時も
電話中でも、手は無意識に動いていて何かしらの
形を描いているのだ。
後で見ると、それがあるイメージにつながり、発想の
源になっている事が多い
僕はよく夢を見る。曖昧な部分と現実を帯びた部分が
記憶として残り、昔見たマンガも雑然とした夢として
せまってくる。
数えきれない程ある惑星の中で、多くの生命体が生息して
いるのがこの青い地球なんだ。その中でも唯一の知的
生命体 として生まれた事を僕は感謝しているのだ。
この素晴らしい青い星で皆と仲良く楽しく一緒に生きて
いきたいと常に考えている。
モダンアート協会 絵画会員  五嶋 稔






鞍谷淑子 絵画    「Curves」 P150





建築を設計するように描きます。
平面であっても、厚さがわずか20センチであっても
その中の空間、またはその作品とそれが展示される空間を
発想の原点として作品を創りはじめます。
私にとって、制作は自分で作り出す小さな「建築」であり
都市なのです。どんな作品の中にも、そこに光や影、風などを
取り込みたいといつも考えています。
豊かさと貧しさを併せ持つ都市、強い、弱い人々が行き交う
都市、人間が捨て去った廃墟などが、イメージの断片となって
私の作品へとつながっています。
この作品も、私の「建築」の一つです。
花弁の形を限りなく拡大した建物に、白い花を描いています。
ここに空間、時、そして命を表現する事を目指しています
モダンアート協会 絵画会員  鞍谷淑子








松岡滋子 絵画    「愛」 赤から白へ



愛というテーマで 絵を描くことは、全てが幸せのように感じる
と思いますが,愛のボリュームは無限です。
私は『愛』に身体の中を流れるあたたかい血の赤を選びました。
赤には情熱の赤、恋がれる赤、ゆれる赤、恐怖の赤、狂気の赤
太陽の赤など多様だと思います。
私の「愛」という絵画での赤は今迄生きて来た中で楽しさ、辛さ
苦しさ、迷い、不安、悲しさなどが、時のフィルターを透って
「愛」=「赤」になっているのです。
心の中を赤い風が吹きぬけてゆきます。風が私の心のドアを、快く
ノックして本当の心を問いかけて清らかな純白の世界をのぞかせて
くれることもあります。
これからの制作では、赤から白へ 徐々に移行して描いてゆきたいと
思っているのです。
モダンアート協会 絵画会員 松岡滋子





大町 亨  絵画 「量子音」S50 アクリル




日常の中で私が関与(あるいは非関与)することによって現象化 
する事象と、それを観察する私の心の状態の変化の、一種の比喩
としての造形物を作りたいと思っています。
具体的な手法 1.偶然性に委ねる手法で、混沌としたイメージの源を画面上に作る。
2.それを漠然と眺めるうちに浮かび上がるバランスのアイデアに
導かれるように、強調と弱化/削除を施す。
3.徐々に大きな構成が定まってきたところで一度その絵を休め、
関心を手放し忘れるようにする。
4.再びイメージを探し出し補助的な要素を加えていく。
5.観察し形象に対応する観念を探してタイトルの素となる
言葉を書き出す。
6.その観念を再定義するためのヒントや後押しになり得る
イメージを目指して描き上げる。
7.タイトルを決定する。
自然の摂理に委ねた制作プロセスを組み込んでいるのは、非論理的な 要素を取り込むためです。
 論理的に理解しようとするとポロポロとこぼれ落ちてしまう欠片に「少し楽に生きられる観念の
持ち方」や「心とは何か」 「生命とは何か」などに関する豊かで直覚的な情報が隠されていると
いう予感に、多くの人が注目して来ました。私もその一人なのだと 思います。
物心ついた頃から感覚的に覚えた「漠然とした疑問」の正体に ほんの少しでも近づきたい、
という試みは夢中になれる愉快な 遊びでもあります。
              モダンアート協会会員 大町亨 





甲谷 武  絵画  白の色彩からMAZIORAへ



木やプラスチックの板をレリーフ状に切り、凸凹をつけ
白一色の作品にする 。作品の高低により、影を落とす。
見る角度で自在に動く光と影をテーマに取り組んできた。
7年程前にMAZIORAという特殊偏光塗料とので合いから、色彩
が多様に変化 する作品に取り組んでいる。1缶0.9キロ入りの
MAZIORAで 1ヶ月分の年金が 吹き飛ぶ。
しかもその魅力にとりつかれている私だ。
しかし、白への執着は今もってゆるぎない。
私の白へのこだわり、そこには原点があるのだ。
死との遭遇とも言うべきグライダーでの飛行事故。
閉じ込められた雲の中は 真空状態になり、音も聞こえず
反響も無く、沈黙の世界になる。恐ろしい事故だったが九死に一生を得た。
その場で体験した真っ白の雲の中での恐怖、生と死を分けた一瞬の事だった。
私の原点は「恐怖の白の世界」が存在しているからなのだ。
         モダンアート協会 絵画会員 甲谷武







水野 翠  絵画 もう一つの風景  162シ324



緑の地球、その地球のかけらを宇宙にそっと浮かべる。今のうちに。エメラルドグリーンは大
地、その上にカドミウムレッドで人間花鳥動物恐竜等々を描く。グリーンは補色のレッドを乗
せることで透明感を増し、レッドはグリーンの上でより元気になり、目を動かした瞬間に 時
にはちょっと動いたかのように見える。これも「生命讃歌」の一つ。初期は「生命生成の讃歌」
を描き、次に、生命が全うにその生命を終えることができるかの「不安」を描き、形や光の遊
び心を加えて今に至る。過去の「不安」の絵の方が今の時代に合っているのだろうけれど…。
モダンアート協会 絵画会員 水野翠  midori mizuno







矢野満里子 絵画  風によせて・V



若かりし頃、雨上がりの道を歩いていた時水たまりに映った
樹木の美しさにハッとして見とれてしまったことがありました。
そこには何か別世界が存在していて、すうっと吸い込まれていく
ような気分になり、同時にその頃読んだ「荘子」の”荘周夢に
胡蝶となる”という説話が浮んできました。
現実と夢の渾沌、形象と影の渾沌.....そこにとらわれていきました
渾沌としたものは身近なところにもありますが、深く心に感じる
ものを求めて旅をしたいと学生時代から仏教美術に魅せられて
いたので、憧れのインドをはじめアジアの国々に出かけていきました
そこで、風景、自然、人情に触れ、心に入り込んだ渾沌としたものを
「風」として描き出したいと思うようになりました。
作品のタイトルのアルファベットは訪ねた国の頭文字を表します
モダンアート協会 絵画会員 矢野満里子




桜井 武人 絵画   風化の詩



作家は常にオリジナルな新しい表現を求め、またギャラリーからは
それを求められてもいる。
表現はメディアも技法も無限だ。 とはいえ造形する心が必要な事は
言うまでもない。
私は今は人間(ひと)を描きたいと思う。心理的抽象を追って内面に
せまってみたい。
シュール、幻想、それに写真、版画技法等々で。
卵の形体を視覚シンボルにインクによるプリント。
アクリル絵の具で加筆を重ねる。支持体は生(なま)の綿カンバス。
モダンアート協会 絵画会員 桜井武人







長井光司 版画 天才と会える街



私は、若い頃からシルクスクリ−ンという版画の技法を使って制作
していますが、近年は、デジタルでも行っています。
純粋美術の方が自分との内なる対話や自分の内面にあるものを吐露し、
手描き・一点モノとしていかに表現するかということを制作の核に
位置付けているのに対し、私のそれは、世の中にある媒体や刺激を
受けた外部の情報を自分なりに意味付けをした上で画像として加工し、
また外に向けて発信しています。
手描きの部分はほとんどありませんし枚数もプリントですから複数枚
制作できます。アトリエにも筆や絵の具は最低限度置いてあるだけです
また、版画という技法を使っていますが、ハンドメイドで描いたものを
表現する純粋版画の作家のスタンスとは異なります。
ですから、私の作品は、意識の上でも作品そのものも純粋絵画、純粋
版画ではなくポスターに近いものであると言えます。
モダンアート協会 版画委員 長井光司






渡辺雅子 絵画 時の融合




「狭間の中で」
私が初めて境界に関心を持ったのは幼い日の浜寺
の海岸でみた海と陸の境界(渚)に点在する、
岩の裂け目である。
長い時の経過の中で波の力が岩に穿つ裂け目は
エネルギーのしたたかさを感じさせると同時に
崩壊の前兆を連想させた。
境界が形をつくり、ぶつかりあう衝撃が裂け目や
溝を作り時が生み出す空間の裂け目から新しい形
が生まれる。
時の断片を繋ぎつつこれからも新しい表現を
求め続けていきたい。
       モダンアート協会 絵画会員 渡辺雅子




鶴見厚子 絵画 夢の質感



  
 もう、30年以上夢日記をつけ、夢の絵を描いている。
夢見の脳科学はまだ研究途上らしいが、私にとって
夢を見るということは自分の潜在意識を覗き込むことであり、
さらに 大いなる存在の声を聴く手立てでもある。
夢見から受けた恩恵は計り知れない。最近は、内宇宙の
広大さを表現しようとしている。
モダンアート協会 絵画会員 鶴見厚子















古川仁史 版画 Colored Map No.55




  この15年ほど、地図、文字、画像、コラージュ、 
ドローイング、孔版と様々な要素を取り入れながら
構成し、制作しています。
それらを組み合わせることにより、意図的に「対比」
「矛盾」「混沌」「秩序」を表出させます。そして、
そこから醸し現れる世界観を観る方と共有出来たらと、
現在も試行錯誤を重ねています。
サイズ : 280cm×1000cm(164cm×280cm×4点)
モダンアート協会 版画会員 古川仁史








加藤幸寿 絵画 人間思考



人間を木製の人形になぞらえ、社会における不安、
矛盾、 あるいは家族の心の問題を題材に表現して
いる。 「人間思考」シリーズは、見る側に作者が
何を 言わんとして いるかを多角的に考えさせる
表現に 心掛けて 制作している。
モダンアート協会 絵画会員 加藤幸寿











石川酉三 絵画 ふるさと思考



北緯40度にひろがる「ふるさと」に、見えかくれする
心の起伏を「象限川」の造形に託そうとしています。
忘れがたい山河を、先人の「うた」にだぶらせながら
自分なりの照射で、表現しようとしているのです。
モダンアート協会 絵画会員 石川酉三












中角洋子 絵画 トイボックス 



喜び、不安、希望、楽しみ、悲しみ、おもちゃ箱の中。
入り混じって取り出したりしまったり、やがて終わりの
時まで 開けたり閉めたりTOY.BOXのふた。
個人的な想いをシリーズにして日々を過ごしている。
        モダンアート協会 絵画会員・中角洋子









村上保 彫刻  共鳴笛-トライアングル



僕は制作初期から、蝸牛、柩、風船、空蝉などの姿を借りて
形を成す殻の内部、つまり不在(空っぽ)の部分にも実在と
等価の”かたち”を与えようと試みてきました。
この作品も同じコンセプト上にあります。三脚状をした笛の
発する音が共鳴し合うという”仮説”で笛の内部に加え、三
脚の間にできた空間の存在も喚起することを意図しています。
制作技法は、奈良興福寺の阿修羅像などに用いられた、乾漆
造をアレンジしたもの。 2014年 サイズ H85?W150?D100B 
        モダンアート協会 彫刻会員・村上保
 




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