前肢の骨折(遠位橈尺骨の骨折)

イタリアングレイハウンド(IG)をはじめ小型犬では前肢を骨折することが良くあります。
現にIGにおけるけがの中では数的にかなり上位を占めるものです。
IGは大変活動的で勇気もあります。狭い部屋の中でもどうしてこんなに速く走れるのだろうと思わせるほどのスピードで走り回ります。また食卓のテーブルくらいの高さなら簡単に飛び降りてしまいます。
しかしその位のことでは我がIGは骨折したりしません。ではどのようなときに事故が起きるかと言いますと、たいていは複数のIGがじゃれているときにおきるようです。

それでは不幸にもmyIGが骨折してしまったら、(骨折したかは足を着かなくなったり、不自然に足が曲がっていればそれは骨折を疑ってください。)かかりつけの獣医さんに見てもらってください。
IGの場合 骨が大変細く長いこと 骨を覆う軟部組織(平たく言えば筋肉とか腱とか脂肪とかです)が少ないなどの理由で骨折の癒合不全(治らないと言うこと)を起こしやすい犬種とされています。
獣医さんによって骨折の治療法が違うと思いますが、ギプス固定はやめてください。ギプス固定で治療した場合曲がって付いたり、ひどい場合は全然付かなかったりという可能性が高くなります。
髄内ピン固定(pinning)は成長期以外の子には勧められません。それは回転する力には大変弱い上、IGが骨折する橈尺骨は手首に近い位置のためピンを挿入する十分な骨髄腔がないからです。
(追補:熟練した獣医師によるピンニングで完璧に治った例がありますので、かかりつけ獣医師とよく相談してください)
プレート固定は絶対とは言わないまでも満足のいく固定ができる方法です。
プレート固定とはステンレスかチタン製の金属の板を骨に添えてねじ止めする方法です。もちろんねじもプレートと同素材で出来ています。
この方法で治療した我が家のIGのレントゲン写真を載せておきます。この子は33pしかない小さめの子ですから、骨も細くもちろん足も細いので小さめのプレートしかつけられませんでした。(私の腕のせいでもあるのですが)
その他創外固定法があります。これは骨にピンを何本か刺してピンを足の外で固定する方法です。これも良い方法なのですが、私にIGでの経験がないので何ともいえません。

               

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