イヌニキビダニ
DEMODEX
アカルス

犬のニキビダニ症の主な症状は、脱毛(特に顔と足に多い)ふけを伴った赤っぽい斑、黒く色素沈着した皮膚などで、1歳未満に発症することが多い。
ニキビダニ症の原因であるイヌニキビダニDemodex canisはイヌの皮膚の毛穴、皮脂腺、等に寄生している常在寄生虫です。このダニは子犬が授乳する際に母親からうつってくると考えられ、生後72時間以内に伝わるようです。

このどの子犬もが持っていると思われるニキビダニが発症するかしないかはまだ十分には分かっていません。ただイタリアングレイハウンド(IG)においても、遺伝的な素因があるとされているためブリーディングには注意が必要です。

ニキビダニ症には2タイプ有ります。
限局性ニキビダニ症は主に頭部、四肢の脱毛として発症することが多く。細菌感染を伴いぶつぶつになっていなければ、あまり痒がりません。皮膚は、ふけが出たり、黒く色づいたり、黒ニキビのように見えたりしますが、90%は自然に治ります。
限局性ニキビダニ症の約1割が急激にまたはゆっくりと全身に広がっていき、命に関わることがあります。(汎発性ニキビダニ症)
全身に紅斑が見られたり、色素沈着、ふけ、それこそニキビのような膿皮症がある場合には、すぐにも検査が必要になります。

ニキビダニの検査は皮膚をひっかいて顕微鏡で覗いたり、毛を抜いて調べたりすれば診断がつきます。
それが1歳を越えたイヌの場合ですと、何か免疫の力が落ちるような病気を持っていたりする場合が多いため、獣医さんは内科的にいろいろな検査を加えるかもしれません。
1歳以下で、病変が少なくて広がっていく気配がなければ、あまり心配はしなくて良いと思います。

治療法は、まずどんな状態でもコルチコステロイド(俗にステロイドと言い、フルコート、リンデロンなどの湿疹用軟膏でご存じでしょう?)は使ってはいけません。急速に悪化します。
そして皮膚の細菌感染による痒みのために、シャンプー、抗生物質の投与、抗ヒスタミンなどの痒み止めなどを使用します。また、汎発性ニキビダニ症には、殺虫剤によるリンスやフィラリア予防薬であるミルベマイシンや、アイバメクチンの高用量投与などが選択されます。
いずれにしても早めに獣医さんにお見せになってください。

汎発性ニキビダニ症は遺伝する可能性が高いので
決して繁殖しないでください。

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