お猿の温泉 長野地獄谷温泉(秋)
2004年11月6日〜8日 長野県の地獄谷温泉は、野生の猿が露天風呂につかるというので有名な温泉である。 一度行ってみたいなと思っていたところ、写真仲間の方から「地獄谷行こうと思うんだけど、ご一緒しない?」というお誘いがあった。 東京駅10:00発の新幹線で長野に向かう。長野駅までは2時間弱だ。長野駅で、大阪からのMさんたちと待ち合わせ。 お昼ごはん用に、駅の売店でほかほかの栗おこわを買って、長野電鉄に乗り込む。長野電鉄は小さなローカル電車だけど、車窓からは雄大な山々が見えてくるし、紅い実をたわわに実らせた林檎の木や、大きな柿の木など、これこそ信州っていう景色が楽しめる。 終点の湯田中駅で電車を降りる。目指す地獄谷温泉には2通りの行き方がある。バスあるいはタクシーで上林温泉の停留所から徒歩30分。あるいは、渋温泉から車で15分。そこから山道を歩いて15分だ。(但し、雪が降ると渋温泉ルートは通行止めになるので上林温泉経由となる) いずれにしても、一軒宿の後楽館までは直接車で行くことはできない。本当に秘境の宿といった感じである。 山道をぜいぜいと息を切らし、15分くらい歩いた頃、ようやく後楽館の建物が見えてきた。と思ったら、早速野生のお猿さんがお出迎え。ちょっとドキドキ! 露天風呂につかる野生の猿がいるのは、後楽館から徒歩5分くらいのところにある「地獄谷野猿公苑」である。 ここのお猿さんの写真です。
地獄谷野猿公苑は、もともとこの地に生息していた野生のニホンザルに餌付けを行い、我々人間が野生の猿を近くで見ることができるようにしてあるところである。 猿たちも人間慣れしているので、こちらが何かしなければ、人間に危害をくわえたりするようなことはまずない。 しかし、彼らは餌付けされているとはいえ、野生の猿であることは間違いない。 ニホンザルは群れを作って生活している動物である。その群れのルールを垣間見ることができてとても興味深い。 ←は、職員から餌をもらうのを待っている様子。 もちろん、一番最初はボス猿からだ。右側の林檎を手にしているのがボス猿。 ボスだけは、職員から手渡しで大きな林檎をもらうことができる。 |
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あとは、適当にばらまくことになるのだが、そうすると大騒ぎとなる。 アフリカでみたチーターなどは、親が子供に餌を与えていたが、猿はそうではない。乳離れした子猿には、母親が餌を与えることはしない。 小さな子猿も一生懸命、投げられた餌を自分で拾って食べているのだ。 中にはこんなお猿さんも・・・⇒ 両手に林檎を持ち、手にもてないものは、脇と足の指でしっかり抑えている。 それでも、他の猿に横取りされることも多いのだから、気が気でないのである。 2004年は台風の当たり年で、長野でも林檎がたくさん落ちてしまったのだそうだ。りんご農家の方は大きな被害が出たようだが、 おかげで猿たちにとっては林檎がたくさんもらえる年になったのだとか。 例年なら、もみがらのようなものが多く、林檎はあんまりもらえないのだって。 |
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【地獄谷野猿公苑について】 ここでは約200匹の野生の猿を見ることができます。特に、露天風呂に入る猿は世界的にも珍しく、外国人にもとても人気のある場所だそうです。 入場は8:30から日没まで。入園料500円。しかし、猿が山から下りていないうちは入園料はかかりません。山から下りてきた時点で、徴収されます。 私が滞在したうち2日間は、猿が下りてきたのは10:30、11:30でした。8:30からスタンバイしていたんですが、長いこと待ちぼうけ状態でした。 朝から観光バスでたくさんの人が来ていましたが、結局猿を見れずに帰った方も多くいらっしゃいました。30分も歩いてきたのに残念ですね。 ちなみに、年に数日はまったく降りてこないこともあるようです。 入園するときは、スーパーのビニール袋や紙袋などは、入り口の無料ロッカーに預けておきましょう。餌が入っているものと思って、猿に襲われます(笑) また、カメラバッグを地面に置いておくと、おしっこをかけられることがあるので、こちらも注意してくださいね。 |
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【地獄谷温泉 後楽館について】 地獄谷温泉の一軒宿です。古い佇まいとそのロケーションはまさしく秘湯って感じ。 建物はとても古く、トイレも洗面所も共同です。お部屋も古いけれど、掃除はきちんと行き届いているし、寝具もとても清潔なので、快適に過ごすことができました。 お料理は豪勢なものがでるわけではないけど、山のきのこや野草、川魚など、とても素朴でおいしいお料理ばかりでした。 従業員のみなさんも、とても感じがよく、気持ちよく滞在できました。 ←は、宿のすぐ脇から噴出している源泉。このお湯は80℃もあるのだそうです。 宿のお風呂はこの源泉を直接引いてきています。 だから、とにかく熱い!前に、誰かが入った後ならいいのですが、そうでなければ大変です。 私は裸になったまま、水を浴槽にどんどん入れ、湯かき棒でかき回し・・・。ようやくお風呂に入れるまでは、15分以上かかったような気がします。話題になった沸かし湯の温泉なんて、ここではまったく心配いりません(笑)。 ここには、混浴の露天風呂があり、時には猿も一緒に入浴しているそうです。ただ、この混浴風呂、野猿公苑からもまるみえですのでちょっと勇気がいりそうです。 |
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【旅をおえて】 猿という動物は本当に表情が豊かで、いつまで見ていても飽きることがありません。 そして、地獄谷の猿たちは、温泉につかっているせいか、毛並みがとてもきれい。特に光があたると、毛がきらきらと金色に輝いて思わずうっとりと見とれてしまうほどでした。 今度は、雪の時期にもう一度訪れたいところです。 頭に雪を乗せてお風呂につかる猿や、雪玉で遊ぶ子猿たちを是非見てみたいものです。 |
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