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理由 |
監督 大林宣彦。
荒川区の高層マンションで起きた一家4人惨殺事件。でも殺された4人は住んでいた家族ではなく別人で。
たくさんの人のインタビューと再現ドラマで構成された異色作。
ひとつに事件にこれだけたくさんの人が関わりを持っているのかと、興味深く見ました。これは映画というより原作がよかったのではないかと思います。
ところどころ大林チックな感じがして、いまいちドキュメンタリーっぽくありませんし、ファンタジーな感じ。
自分はけっこう楽しめました。
それと映画を見て一番思ったことは、貧乏ながらも自分は自分の両親の子供でよかったなぁ、と実感。上をみたらきりがないし、それより不幸なケースもたくさんあるので。
あとマンションには住みたくないなぁ。何か得体が知れない。棺桶、もしくは牢獄みたいなイメージでした。
一緒に見た人の感想「長い!あきた!リアリティがない。こういう映画だとそこらへんが大事なんじゃない?あんな古い電話、使ってないから0★」 |
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パッチギ! |
監督 井筒和幸。主演 塩屋瞬。
1968年、京都。朝鮮高校と地元の高校とのいさかいが絶えない。主人公の康介は朝鮮高校の番長の妹に恋をしてしまう。康介はキョンジャの気をひこうと奮闘する。
自分はとても感動しました。見えないところの質も高い、非常に高度な映画だと思います。
えんえんと暴力描写が続きますが、なんで人は争うのか?を考えさせるために必要。ありがちなケンカをした同士の友情というバカ少年漫画パターンにならず、ひたすら憎しみあうところがリアル。それとキャバレーで酒瓶で頭をなぐり、普通の映画なら瓶が割れる予定調和を破ったセンスが素晴らしい。
主人公は誰も殴らず、誠意だけで在日朝鮮人のキョンジャに近づきます。康介がキョンジャに会いに夜の川を渡る場面は感動。まさかなぁ、と思っているとずぶずぶ川に入っていきます(名シーン)。イムジン河という歌も象徴するようにこの映画の中では川は重要なファクターのようです。川をはさみ民族・国家の分断、川を挟んでの日本人対在日朝鮮人とのケンカ、川を渡り好きな女の子に会いにくる主人公。
「もし私と結婚したら朝鮮籍になれるか?」と聞かれ、何も言えない主人公。質問のあとすぐに場面は切り替わってしまうのですが、主人公が何も答えられなかったのは察しがつきます。
登場人物たちの演技が素晴らしい。本物にしかみえない、映画の住人たち。展開も歯切れがよく、台詞やら使われるアイテムたちが時代を感じさせ、本当に当時の京都にいるような雰囲気。朝鮮部落の貧民窟っぽい感じも、普通の京都の町並みも。でもひとつだけ気になった点が。はじめのバス転倒事件のときに後ろにちらっと青いオープンカーが止まっているのが見えました。一瞬なので定かではないのですが、MGBだったような。それがウレタンバンパーモデル。68年くらいじゃアイアンバンパーじゃないの?まぁこれは勘違いかもしれません。DVD化したら要チェックです。
チェドキの葬式、主人公は現実を突きつけられ見てる自分も冷水を浴びせられた気分になります。民族を越えての友情が出来ていた気がしていたのですが。それ故に最後のラジオ局での熱唱は感動。魂が震えました。ケンカもなにもしない主人公が歌で勝利した瞬間。あまっちょろいという見解もありそうですが、自分も争うより歌でも歌っていたい気がします。
「歌ってはいけない歌などない」という大友康平にも涙。でもプロデューサーをボコボコにして放送を続ける、というこのシーン、他の映画かドラマでも見た、デジャブーがしたのですが、気のせい?
重いテーマ。だれもがあまり語りたがらないネタ。在日問題をあつかった映画も自分が見た中ではそろそろ20年もたってしまった「伽椰子のために」(傑作!)以来。
多分、映画の中で語られた問題に賛否はありそうな感じですが、見過ごすことのできない、見るべき映画だと思います。
最後のさわやかなエンディングにも感動。でもよく考えると、康介の母親は絶対キョンジャをうちには入れさせないはず。やんわりと拒絶しつづけるはず。
でもたとえ現実はそう簡単にはいかなくても、映画は奇跡を起こせるので、このさわやかなエンディングは賛成。
一緒に見た人の感想「寝た。「僕カノ」よりサイテー。クズ映画マイナス5★」 |
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TAXT NY |
米。監督 ティム・ストーリー。主演 ジミー・ファロン。
リュック・ベッソンの「TAXi」のアメリカリメイク版。話の内容もほぼ一緒。登場人物やら場所の設定を変更、それがよかったのか、見終わっての感想はなかなか面白い映画を見た、です。
主人公とタクシー運転手のコンビもいいですし、なんと言っても悪役が魅力的。
ばかばかしい映画なのですが、肩の力を抜いてみられるので自分はよかったです。
ウィッシュバーンの母親がアン・マーグレットだったのにはびっくり。でも年のわりにはって感じです。
パンフを見て驚いたことがもうひとつ。タクシー運転手のクィーン・ラティファが「セット・イット・オフ」(名作!でもパンフではオフではなく「セット・イット・アップ」と誤字。たるんでる。曲がりなりにもこれで飯を食ってる人間のやることとは思えない。やっつけ仕事?)にでていたこと。あの4人の誰?やっぱデブのレズビアン?全然自分はわかりませんでした。
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