修羅雪姫
監督 佐藤信介。主演 釈由美子。
2002年。今年初めの映画鑑賞です。新宿高島屋に福袋を買った後、見に行きました。案の定館内は自分らも含め、男が大半を占めアベックさえいやしません。
暗殺集団の中で生まれ育った雪(釈由美子)の話。話はどうでもいいような内容。とにかく釈由美子のアクションが素晴らしい。吹き替えなしでやっているのが売りです。
自分からのリクエストとして、脚本をすべて作り変えて欲しい。えんえんとアクションシーンだけでいい。というかアクションシーン以外はひどい物で見るべきところがない、これでアクションシーンがなければホントにただの愚作。雪とテロリストの交流も凡庸。何の工夫も冴えも感じられない。その代わり釈由美子は光っている。それだけでも(それだけしか、とも言う)見る価値はあると思います。文句は言いましたが、弾丸をよける釈由美子のカット、これを見れただけでも満足。
上の写真はパンフと映画館でくれた、清酒修羅雪姫です。

一緒に見に行った人のコメント。「最初の5分でいい。おれはよく耐えた。伊藤英明も佐野史郎もいらない。ドラム缶なんか転がしているんじゃねーよ」
メメント
監督 クリストファー・ノーラン。主演 ガイ・ピアーズ。
自分の記憶が10分しか保っていられない前向性健忘の男。ポラロイド写真とメモ、自分の体に彫った入れ墨を頼りに、妻を強姦殺人して自分に脳機能障害を与えた犯人を探して復讐をしようとする、異色ハードボイルド作品。
はじめの30分くらいは訳が分からず眠くなりました。失敗したなぁ、早く終わらないかなぁ、と思っていると、マトリックスのヒロイン、キャリー=アン・モスが登場したくらいからだんだん面白くなってきました。時間軸の解体、物語が進むにつれ時間が逆行。主人公自体の存在があいまいで、映画の内容も謎が多い。見終えた後、1回見ただけではよく把握できない映画だなぁ、というのが感想です。
だからといって「難解」というわけではないのです。けっこう面白おかしくできています。
主演のガイ・ピアーズは「L.A.コンフィデンシャル」のエリート刑事。映画を見終えてパンフを読むまで気がつきませんでした。ずいぶん印象が違います。
パルコの8階、シネクイントに見に行ったのですが、客が満員。上映30分前に館内に入ったのですが、階段に行列を作らされ、5階のところで待ちました。さらにその下にずらっと行列が続きます。自分は座れましたが、立ち見客もいました。かなりの人気作だったようです。
とても面白かったですが、どっちが好きか? と言われれば釈由美子の「修羅雪姫」のほうが自分は好きで、また見たいです。

一緒に見に行った人のコメント。「面白かった。久しぶりに映画で楽しめた」

ヴィドック
監督 ピトフ。主演 ジェラール・ドパルデュー。
1830年フランス革命前夜のパリ。ガラス工房で私立探偵ヴィドックがガラスの仮面の男に殺される。そのヴィドックはなぜ殺されたのか? 何の事件に関わっていたのかを、ヴィドックの事を本にしようとしていた伝記作家エチエンヌ・ボワッセが足取りを追います。しだいに明らかになる事件の全容。おぞましい事実、怪しい人物。ハードボイルド映画の定石を行くような展開です。
とにかくこの映画の映像がすごい。スターウォーズ・エピソード2でも使われるソニー製のデジタル24PカメラHDW-F900で撮影。黄金色に輝くパリ。絵画のようです。監督は画家ギュスターブ・モローを意識して絵づくり。宗教画のような雰囲気です。
アクションはばさばさと何をやっているか分かりづらく、話の内容もちょっと難がありますが、映像の力量に圧倒されてしまいました。
しかし、あんな超人的体術の持ち主である鏡の仮面の男が、いちいち回りくどいやり方で犯行を重ねるのかがわからないなぁ。護衛がついていようが、雷なんか使わずとも自力で殺せそうなのに。

一緒に見に行った人のコメント。「監督ピトフは監督としての才能は無いと思う。
やっぱ技術屋なんだよ。きっと。
今後は映像効果で他の監督作品に貢献することに専念して欲しいね。
でもイメージが物凄くあって、それは形にした一生懸命さというか、執念がかんじられて話自体はつまらないというか稚拙なんだけどとても面白かった。今有るCGの世界とは違った映画が今後できるかもね。
味の有るCGの使い方した映画をつくってほしいなぁ」

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