シティ・オブ・ゴッド
ブラジル。監督 フェルナンド・メイレレス。
ブラジル版「仁義なき戦い」あるいはリアル版「バトルロワイアル」そんな感じの映画。
すごくよかったです。
とにかく熱い。
ブラジル、リオ郊外に作られたスラム、神の街。60年代末から80年代直前までの少年ギャングの抗争劇。
語り部はカメラマン志望のブスカペ。たくさんの登場人物が入り乱れ、時には時制も乱れ、時間軸の解体の起きた、混沌とした映画。とにかく最高。
原始的なエネルギーに満ちた、生命力のうねりみたいなものを感じるダイナミックな映画。
自分が日本に生まれ、いかに温室育ちだということ突きつけられます。
人間は生きているだけでも偉大なのだと分かりました。
六本木という土地柄なのか、外人むけに英語字幕もついてました。実際に客も外人率高し。

一緒に見た人のコメント「見慣れない映画だった。でも良かった。六本木ヒルズはこみすぎ。田舎者にはつらすぎ。悪魔の町だ。外人は上映時間を守らない。映画が始まってからやってくる。しかも途中で席を立つ★★★★★」

バトルロワイアル2
監督 深作健太。主演 豊岡真澄。
去年(2002年)テレビ朝日の虎乃門で井筒監督とこちトラ自腹じゃを一緒にやっていた女の子、豊岡真澄ちゃんがでてるとの情報を手に、楽しみに見に行きました。
銀座の映画館にはバトロワショップも出ていて、雰囲気が盛り上がります。前作はとても良くできていて(不満がないこともないが合格)、かなりの期待大。
しかし! 映画館はがらがら。まだ3週だというのに空席が目立ちすぎ。でも深夜のテレビCMには「大ヒット上映中」とありました。これで大ヒットなのか?これでいいのか、東映。
いざ本編が始まり、真澄ちゃん探索の旅へ。目を凝らし、集中しまくって探しましたがまったくその姿は見つからず。画面は揺れてばかり、しかも薄暗い。生徒ではない模様。結局確認できないまま映画は終わってしまいました。残念。
「由香里 豊岡真澄」とスタッフロールにはありました。どこかで出ていたみたいです。
真澄ちゃん探しで映画どころではなかったのですが、一応感想を。
これは失敗作。青臭い、説教くさい。頭でっかちの人間が作った映画で、主張が五感に伝わってこない、表現が上っ面だけをなでている感じ。設計図だけできていて、中身が埋まっていない、執念、情念が伝わってこない、これだけのテーマ、主張がある映画なら、もっと作り手は気合いを入れなくては。「シティ・オブ・ゴッド」のように見終わった後、魂を揺さぶるまでには至りませんでした。
惜しい一作。
でも失敗とはわかっていても、完全に無視できる映画でもありません。いびつながらも、多少首をひねるところがありながらも(そんでもって真澄ちゃん探しをしながらも)あっという間に時間が過ぎました。
でも「すべての大人に宣戦布告」なんてくさすぎ。これを書いたのは大人だし、これを企画したのも大人、第一これは商品、東映のもうけ、映画館も大人、子供からお金を搾取しようとしているだけなのに、ていうか虫酸が走るくらいおめでたい台詞、これを憂いをふくんでそうな顔でいう藤原も大根、ここにでている出演者たちも大人のレールにのった奴ら、なーんてわざわざ書かなくても、こんな映画を真剣に見ているひとはいないか。
前作と較べて、この映画の一番の不満は、前作は生き残るにはそれなりの理由(知恵やら運、体力)があったのに、今回のはそれが欠如していること。主人公だから、で片づけている安易さがむかつきます。
不満は多々ありますが、軽い味わいの映画が多い中、たまにはこんな映画があってもいいのではないかと思います。
テーマは良かったと思うのですが、傑作になり損ねた作品。何かが空回りしているみたいです。
竹内力も力入りすぎ。もっと普通に演じていた方が、最後のラグビーが生きたと思います。

評価。
ビデオになったら借りる(真澄ちゃん探索)。
それと、失敗作ではあるけど、同時期に公開されてる「踊る大走査線」なんかよりは志は100倍高い位置にある映画です。

一緒に見た人のコメント「つまらない!久々にこんなつまらない映画を見た。監督はただの親の七光り。30才すぎて「大人に宣戦布告」なんて書いてるんじゃねーよ。寒すぎ。苦痛な映画だった。1作目の方が100倍面白い★」

英雄
監督 チャン・イーモゥ。主演 ジェット・リー。
すっごく面白くありません。がっかり。見所は矢のシーンくらい。あとはろくな映画ではありません。期待が大きかっただけに残念。
映画館は初日ということもあり、超満員でした。
始皇帝暗殺をもくろむ3人の暗殺者対小役人「無名」。無名は見事3人を討ち果たし、始皇帝に謁見する。実は無名こそ始皇帝暗殺をたくらむ真の暗殺者であり、他の3人の死は偽装、始皇帝に10歩の距離まで近寄るための手段であった。
とまぁ思い出しながらこう書いても、つくづく面白くも何ともない、巨大な脱力感だけが残る映画でした。
無名には「十歩必殺」という技があるのですが、他の登場人物もあまりにも超人過ぎて、いまいちその凄さが伝わってきません、ていうかゆるいアクションの連続。
とにかくやたらスロー。次々コスプレ。色の使い方もあざとい。髪をなびかせる。枯れ葉が舞う。空を飛ぶ。そのすべてがセンスなさすぎ。
ストーリー展開も緊迫感が何一つなく、叙情的に見せているのかもしれない数々の場面も「きどってんじゃねーよ、文芸大作見に来てるんじゃねーよ」と怒り倍増。
ジェット・リーもいい暮らしをして緊張感がゆるみ、昔と較べて小太りに。
とにかくがっかりな映画。
デアデビルをぬき今年のワースト1に!
似たような時代劇なら「アウトライブ」の方がずっと面白く熱いです。

評価。金を返して、というのもがめついので、授業料と思い我慢我慢。

一緒に見た人のコメント「つまらなーい。貴重な時間を返せ!人生を返せ! こんな映画を輸入した野郎は打ち首!死ね! 2度寝た。映画館で寝たのは久しぶり。あとチャン・ツィイー、ブス。マイナス★★★★★!」