イヤー・オブ・ザ・ドラゴン
1985年米。監督 マイケル・チミノ。主演 ミッキー・ローク。
これは自分が高校生の時に公開され、もちろんロードショーには前売りを買っていき、そのあとの2番館公演にもくっついてまわり、映画館ではたぶん4回くらい見ていると思います。
刑事アクション映画の大傑作。
ニューヨークのチャイナタウンに赴任してきた現場主義のスタンリー・ホワイトが、ジョン・ローン扮する若きリーダー率いるチャイニーズ・マフィアに戦いを挑む。
映画の公開当時は中国系アメリカ人の抗議デモがさかんに行われました(でも日本でも中国人が大挙して日本で犯罪を犯してる。アメリカに追いついたのかも。うちの会社で働いている中国から来た人は皆温厚、まじめ、ひょうきんなのに、同じ中国人とは思えない。やっぱでかい国だからいろんな人間がいるのかもしれません)。
ミッキー・ロークがかっこいいです。超自己中、野獣というよりだだっ子のような執着心でチャイニーズ・マフィアを追いつめます。対するジョン・ローンも冷たい中にも熱い男を感じさせ、最後は見事二人の対決で幕を閉じます。
アクションシーンが素晴らしく、脚本もよく(オリバー・ストーン!)、最高の一品。でもそんなに話題にならないのが不思議。人気がないのか?
オススメです。
しかし主人公の奥さん(ダイアナ妃似)が「もう35才だ」と嘆くシーンがあり、いつの間にやら自分もそれより年上(2004年2月現在36才)になってしまい感慨深いです。

國民の創世
1915年米。監督 G.Wグリフィス。主演 リリアン・ギッシュ。
白黒サイレント映画だから非常に見づらいです。でもなれてくればまるで紙芝居のようなテンポも心地よくなってきます。
それにしてもよくもまぁここまで黒人をこきおろしたもんだ、とびっくり。白人はろくなモンじゃないと現代の自分から見ると思います。
悪事を働く黒人は白人俳優が黒塗りになり、見てるこっちは寒々しく笑う気も起きません。
しかもKKK団がヒーローになってるラストはかなりの脱力モノです。
技術的にもかなり見所のある映画らしいですが、だから何? てな感じで、これをふまえて考えると、素晴らしい美点と恥部とも言うべき欠点が混在した、人間そのものともいうべき映画なのかなぁ、ということで。

血まみれギャングママ
1970年米。監督ロジャー・コーマン。主演 シェリー・ウィンターズ。
1930年代アメリカ。実在のギャング、ケイト・バーカー一家の母親を中心にした物語。故郷を捨て、銀行強盗を繰り返し、その末路まで。
若き日のロバート・デニーロが息子のひとりに扮しています。麻薬中毒のロイド。
この映画は題名だけは知っていたので、DVD化されるとすぐ購入しました。楽しみに見たのですが、うーん、ちょっとバイオレンス描写がはじけていないというか、でもまぁ、こんなものかなぁ、と言った感じで、少し物足りなさを覚えました。
でも暴力描写は思ったより(でも平均以上)おとなしめでも、作品から漂う野蛮な暴力的な雰囲気はよかったです。
まるでフォークナーの小説のような雰囲気。
それとラストの銃撃戦に物見遊山ででかけてくる近所の人たち、まるで野球の観戦をしているようで、上っ面だけとりつくろっても人間は暴力が好きなんだ、と主人公が吐き捨てる言葉を実証していて面白かったです。
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