鷲は舞いおりた
1977年英米。監督 ジョン・スタージェス。主演 マイケル・ケイン。
「1943年9月12日。ドイツ落下傘部隊ムッソリーニを救出。これに勇気づけられたヒトラーはさらに冒険的な作戦の実行を命じた」
チャーチル誘拐実現の可能性を探れ、と命じられたラドル大佐。チャーチルをロンドンからベルリンへ。図上演習する。あるスパイがもたらした情報に基づき、ついには実現可能な作戦を思いつく。
作戦実行の白羽の矢がたったのはスタイナー大佐。彼とその部下たちは、ユダヤ人を連行する親衛隊の邪魔をして服役していた。復職を条件に作戦に参加するスタイナー大佐と16名の部下。しかし、完璧に思われた計画もささいな偶然から崩れ始める。。。
名前だけ知っていたのですが、見るのは初めてです。とても面白かったです。アクションシーンも、それ以外のドラマのシーンも歯切れがよく、一挙に見てしまいました。
ドナルド・サザーランド扮するデブリンがかっこいいです。とぼけたところがあり、それでいて実は男らしい。信念を貫き通します。
それとデブリンのバイクもかっこいいです。たぶん煙と音から2サイクルっぽいです。今乗ったらおしゃれでしょう。


ロスト・コマンド
1966年米。監督 マーク・ロブリン。出演 アンソニー・クイン アラン・ドロン。
1954年、ラスペギー大佐はインドシナ戦争で部隊もろともベトナム軍の捕虜になる。収容所から本国に戻ると、現場からはずされてしまう。どうしても現場に復帰したいラスペギーは、戦死したクレアフォン少佐の未亡人を頼り、お偉方に口利きしてもらう。そのおかげで念願かなってアルジェリアへ。彼は戦友を集めて、第10パラシュート部隊、別名トカゲ部隊を率いて、フランスから独立を望むアルジェリアの反乱を抑えようと奮闘する。
主人公のキャラクターが異色。最初はラスペギーは現場主義の鬼軍曹タイプ、「戦争のはらわた」のジェームズ・コバーンのような軍人かと思いましたが、まったく別のタイプ。どちらかと言えばパターン的には、敵対する功名心の強い、手段を選ばない人間。農民出身ということに引け目を感じていますが、将軍になる気はまんまん、それと女の気を引こうと、なんとか手柄を立てようとします。
不当逮捕、拷問、見せしめのため村人を虐殺と恐怖政治の片棒を担ぎまくり、ただの番犬にしかすぎません。味方であるはずの警察まで脅しつけて情報を聞き出すのも、彼なりの正義感からではなく、すべて自分の保身、出世のため。かつての戦友がゲリラ側についたのもまったく理解しようともせず、命の保証の約束を反故にして殺してしまいます。最後のゲリラ対トカゲ隊の戦い。劣勢を跳ね返したのは、救護班のヘリを使って警戒をといたゲリラの背後をつく、という最後の最後まで「汚い勝利」です。
「アルジェリアはただ独立したいだけよ。フランス人ならわかるはずだわ」とゲリラ側についた元戦友マヒディの妹アイシャはエスクラビエ(アラン・ドロン)に言う。とてもフランス人が聞いたならばきつい一言。
カスバが出てきます。ジャン・ギャバンの「望郷」を思い出します。
片目のジャック
1960年米。監督・主演 マーロン・ブランド。
1880年メキシコ。リオは3人で銀行強盗をする。成功するが警察に追われる。一人は殺され、残るはリオと親友のダッド。馬が1頭倒れ、一人は丘で敵をくい止め、もう一人が5マイル離れた農場から馬を調達してこよう、とくじを引く。くじはリオが細工していて、リオが残り、ダッドが馬を取りに行く役になる。
しばらくして官警に囲まれるリオ。ダッドは裏切り、そのまま金貨もろとも逃走していた。リオは捕らえられ、刑務所に入れられる。
5年後脱獄したリオは復讐のためダッドの行方を捜す。そのころダッドはとある街で足を洗い、保安官になっていた。
年代から言っても古典的な西部劇なのですが、主人公も敵役も善玉悪玉にわかれてなくて異色です。ロマンスが安易でちょっとまずいですが、そのほかはなかなか骨太な感じの良くできた映画です。リオの少しすねた感じが時代を感じさせます。今ならもっと冷徹に描いていたであろうに。言動、映画自体に少し言い訳っぽいところがあります。

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