アダプテーション
米。監督 スパイク・ジョーンズ。主演 ニコラス・ケイジ。
「蘭に魅せられた男」の脚色を依頼されたニコラス・ケイジ扮するチャーリー・カウフマン。しかし題材が花中心、活劇もなく、とても映画には不向きな内容のため、まったく仕事が進まない。彼女との仲もこじれてきて、自分自身のコンプレックスにも悩まされ、双子の弟がズカズカと私生活に踏み込んできて、とうとう原作を捨て、原作を脚色する自分を主人公にしたシナリオを制作する自分、という映画にまで暴走していく。
面白いです。
主人公はハゲでデブ、それと内気なことを気にしていますが、自分に言わせれば、脚本家という名声をもっているので、ただのダメ人間ではないと思います。おそらく映画を見ている観客のほとんどよりマシな人生を歩んでいる気がします。逆を言えば、世間に認められた才能を持つ人間でも、人並みに(映画では人並み以上に)悩みがある、と見ている自分などは共感を覚えました。
ウェイトレスをナンパしたときの気まずさ、アメリアとの仲の終焉、落胆したスーザンを見てヤケくそになるジョン・ラロシュ、突然起こる自動車事故とどのシーンもすばらしいのですが、終わり近く、沼地での弟との会話が白眉。鳥肌モノです。この映画がただのヘンテコなコメディ、あるいは前衛的っぽいコメディもどき、気取ったインテリ向けの映画から、もっと高尚な映画に昇華する瞬間です。
人生の真理がそこにあります。
見て損はありません。

一緒に見た人の感想「期待はずれ。デブやハゲの気持ちなんかわからねぇっつーの★★」


リーグ・オブ・レジェンド
米。監督 スティーブン・ノリトン。主演 ショーン・コネリー。
面白かったです。
気軽に楽しめる映画です。
ファントムという謎の怪盗がヨーロッパを荒らし回り、大英帝国がその動きを封じ込めようと超人紳士同盟を結成、ファントム対超人紳士同盟との対決が始まる。
話もすごいけど、映像がすばらしいです。映像がしょぼいとせっかくの設定がいかしきれませんが、この映画は見事に映像化していました。
どのシーンも大迫力です。
きっと子供が見ても楽しめるはずです。

超人紳士同盟の中で一番重要な役、ショーン・コネリー扮するアラン・クォーターメインだけ誰だか知らなかったなぁ。他はなじみがあるというのに。
子供の頃熱中して読んだ「海底二万里」のネモ船長とノーチラス号を見られただけでも大満足です。それと敵役の正体にも。

一緒に見た人の感想「最後はいらない。面白い映画だった。ファンタジーだ。ヴェニスが大迫力。で、なんでトム・ソーヤなの?いらなくない? それと面白い割には映画館がガラガラ★★★★」

キル・ビル
米。監督 クエンティン・タランティーノ。主演 ユマ・サーマン。
大傑作。
結婚式当日かつての仲間の殺し屋集団にリンチにあい、首領のビルに頭をピースメーカーで撃たれた主人公、本名×××、別名ブラック・マンバ。植物人間となり、4年後目覚めた彼女は、4人の殺し屋とビルに復讐を誓い、一人また一人と戦いを挑んでいく。
自分は2度、2週立て続けに見に行きました。すごく面白い映画だと思います。
映画館だとユマ・サーマンやルーシー・リューのつたない日本語に失笑が飛び交いますが、自分はそんなことないと思います。とても素晴らしい日本語でしたし、あそこでは日本語が胸に響きます(ていうか日本人の使う和製英語の方がきっとアメリカ人からみたら脱力ワールドのはず)。
内容がぎっしりてんこ盛り。クンフー、ホラー、ギャグ、ヤクザ、アニメ、ギャング、チャンバラ、ないのは銃撃戦とカーチェイスくらい。1本の映画にしてはかなりお得な中身です。
タランティーノの映画の知識がすごい。自分も自分ではかなりの映画オタクだと思ってましたが、まったくもって足下にも及びません。日本人の自分でさえ知らない日本の映画を見まくっているようです。そのほかの国の誰も取り上げないような映画まで。今回引用されている映画で一番見たいと思ったのは「Thy call her one eye」です。日本での発売は無理かなぁ。
「キル・ビル」は青葉屋に舞台が移ってからが気分が燃え上がります。クライマックスのルーシー・リューとの雪上対決は息をのむような美しさ。女の友情も絡んできて、お互いの魂の対決、感動です。それと流れる梶芽衣子も気分をあおります。
自分ははじめ見たとき、てっきりルーシー・リューは2番目に殺されて、1番目はキッチンで殺された黒人だと勘違いしていました。2度目見たとき、黒人を殺した後、処刑者名簿を消すとき、もうルーシー・リュー扮するオーレン・石井の名前は棒線で消されてました(でもってそのリスト自体日本から帰る飛行機の中で作成されたモノだった)。
この第1作目で満腹なので、2作目はいったいどうなるのかが不安。今回よすぎたので期待がふくれあがります。映画のクオリティが2作目で落ちなければいいのですが。来春の「Vol2」が待ち遠しいような待ち遠しくないような。

一緒に見た人の感想「面白かった。細かいコントがぎっしり、てな感じだった。青葉屋の廊下を歩くオーレン・石井軍団がかっこいい。ゴーゴー・夕張(「バトル・ロワイアル」に出てたっけ?印象薄い)がよかった。ルーシー・リューも。ユマ・サーマンは美人だけどでかい女★★★★★」

一緒に見た人の感想「笑った。よかった。出てるキャラの中ではエル・ドライバーがいい。それと懐かしい気持ちになった。こんなところにギャバンが出ているとは思わなかった。あと本編と関係ないけどグッズ売れよ。何もありゃしない。バイクが飾ってあるだけ。オニツカ・タイガー売ればボロもうけだろうに」