ファインディングニモ
ディズニー映画はほとんどみたことがありません。正直期待もしてなく、それどころか少しバカにしていたのですが、見たら大感動。涙涙でした。
話はカクレクマノミの親子の話。400個あった卵と妻を同時に失い、唯一生き残った子供ニモを過保護に育てる父親マーリン。学校入学の日、ニモは人間にさらわれ、マーリンがニモを追っての大冒険がはじまります。
何が良かったかというと、普通は子供の成長物語であるところを、親の成長物語にしたところ。もちろん息子のニモもたくましくはなりますが、父親の方が比重が大きいように感じられました。
海の映像もふくめ、アニメーションも高水準。その技術を上回る物語の筋立てのうまさ。脚本の勝利。それとそれぞれ個性的なキャラクターがよかったです。最初は可愛く見えなかったニモ(なんかシーマンに似てる)たちも終わり頃にはとても可愛く思えました。
朝一の回を見に行ったのですが、映画館は大混雑でした。日本語吹き替え版でしたが、木梨憲武も室井滋もよかったです。

一緒に見た人の感想「とちゅうがつまらなかった。ドリーは「さあ、およぎましょ、およぎましょ」とうたっていたね」

ラブストーリー
韓国。監督 クァク・ジェヨン。主演 ソン・イェジン。
「猟奇的な彼女」と同じ監督の作品。かなり期待してみたのですが、結果はちょっと拍子抜けでした。途中までは大林宣彦チックでツボだったのですが、最後はいただけません。
話は女子大生の主人公が、母親が旅行中に昔の手紙やら日記を見て、双方の恋物語が進んでいく、という感じです。
現在と過去(主人公の二役)がそれぞれ進んでいくのですが、最後に交差して終わり。この交差がいけません。あまり書くとネタバレになるのでこれ以上書きませんが、これはないだろう? と一気に映画がしらけます。それまでも現実主義の人ならそっぽを向いてしまうようなエピソードの積み重ねなのですが、自分はどちらかというとロマンチストなので堪能していたのですが、最後だけは救済できません、なんのフォローもできないようなひどさ。がっかりです。
9割はいい作品です。でも肝心のラストがダメなので、この作品はオススメではありません。「猟奇的な彼女」とは違い、こちらには映画の神は降りては来ませんでした。残念。
でも逆に考えると、最後さえなければかなり光っていた作品でした。
個々のキャラクターは良かったです。主人公、恋人はもちろん、特に友人のテス、スギョンが最高。この脇役二人が高ポイントです。

一緒に見た人の感想「コントかと思ったよ。コテコテ。最後のあれはないだろう? 脇役ののっぽくんはよかった。主人公の女の子は地味すぎ。それとあこがれの先輩もぼってりしすぎ★」

ミスティック・リバー
米。監督 クリント・イーストウッド。主演 ショーン・ペン。
他に見るのがなくて見ました。ちょうど興行の谷間だったようです。映画館はかなりこんでいました。賞取りで話題になっているだけあり、力作でしたが、自分の趣味ではありませんでした。
憂鬱な気分になる映画(天気も青空いっさいなし。晴れてる設定でも画面は鈍色という徹底ぶり)です。ついてない人間は救いようがない、とでも言ってるような感じです。70年代のニュー・シネマのような敗北で終わろうともそれでも甘えたヒーローっぽい感じ、そんなのはまったくなく、デイブは惨めに死んでいきます。
「死ぬまでにしたい10のこと」の時もそう思ったけど、アメリカ人の低所得っていうのは日本とはだいぶ尺度が違う。デイブは低所得らしいけど、日本の方が貧乏は悲惨。アメリカは日本と較べたらかなり豊かな国です。
「青春がなかった」というようなことを言うデイブは少しかわいそうです。36才。自分と同い年。もう若くはない、人生も半分をすぎた寂しさのようなものが伝わってきました。正直、ケビン・ベーコンのお家の事情は邪魔だし、ショーン・ペンもろくなやつでも、哀しみも伝わってきません。
うーん、そう考えるとデイブ役のロビン・ウィリアムズが渡辺謙を蹴散らしゴールデングローブ賞をとったのも納得かも。それだけ演技が素晴らしかったから、自分にそう感じさせたのでしょう。
それにしてもひどい物語。せめて映画の中だけでも、デイブを救ってやるべき(それこそ映画の使命。「ワイルド・パーティー」並の力業を希望)。もしくはデイブに焦点をあて、死に際をもっと丁寧にとるべき。

一緒に見た人の感想「知らない人の車には乗るな! 車を運転したら縁石には気をつけろ! スーツを着た白人はホモだと思え、間違いない★」
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