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傷だらけの挽歌
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1971年米。監督 ロバート・アルドリッチ。主演 スコット・ウィルソン。 実際に起きた誘拐事件をモデルに書かれた「ブランディッシュの蘭」が原作。 1931年カンザス。大富豪の娘、バーバラ・ブランディッシュを3人組のギャングが誘拐。それを発見したグリソム一家が3人組を殺害してバーバラを横取り、100万ドルの身代金をせしめます。誘拐犯が捕まるのは身元引き渡しのときが多いと、金を手にしたグリソム一家(母親を中心に他に男が5人)は娘は用済みと殺そうとしますが、息子の一人、スリムがバーバラに恋をしてしまい、殺害に猛反対。 バーバラも生きるため打算としてスリムの慰み者になります。スリムは極度のマザコン(スリム曰く、ママの作ったクッキーとパイしか食わない)、知恵遅れ、凶暴なキャラ。バーバラはスリムのことを「なめくじのよう」と言い、当然心を開きません。ギャング版「キングコング」と言ったところです。 バーバラ役がキム・ダービー。どっかで見た女優だなぁ、と思っていたら「いちご白書」のヒロインと判明。こちらでも好演を見せます。 しかし一番の印象に残ったキャラはやはりママ・グリソム。見た目ただの中年女なのに、凶暴、強欲、冷血、冷静。特に警官隊に囲まれて腹をくくり警官隊に立ち向かうシーンでは、男よりも「男」らしい。奇声を発しながらマシンガンを乱射する様は、それまで「イヤなババァ」と感じていたのに、少し共感を持ってしまったほどです。 この映画を見終えた感想は、ひどい話だなぁ、ということ。後味の悪い幕切れ。アクションシーンもそれほどの高揚感はなく、出てくる男がどれもろくでなし、誰一人かっこよくない。そして極めつけはヒロインの運命。ホントにひどい。興味を持った方は、これは是非とも自分の目でご確認を。映画自体の出来は細部までしっかり作り込まれていて、なおかつ力強い演出、上出来です。
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ザ・ドライバー
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1978年米。監督 ウォーター・ヒル。主演 ライアン・オニール。 銀行強盗等の逃走用運び屋カウボーイが主人公。彼を執念で職権をこえて追う刑事。刑事は罠をしかけ、主人公もその挑戦に受けて立ちます。 犯罪映画の佳作。映画のシーン、ほとんどが夜。黒を基調にした映画。夜のロサンゼルスでのカーチェイス。台詞の少ない登場人物たち。皆くせ者揃い。ヒロインのイザベル・アジャーニも血が通っていないかのよう。普通の映画なら主人公と恋仲になったりするのですが、ここではそんなことありません。刑事も正義感が強い、というより、狩猟願望が強いというか、言葉通り「ゲーム」を楽しんでいます。3人組の強盗たちもいい顔しています。 自分は主人公が窓ガラス越しに隠し持っていた拳銃を撃つカットが好きです。
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ピンク・フラミンゴ
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1972年米。監督・脚本・撮影・編集 ジョン・ウォーターズ 主演 ディヴァイン。
ボルティモア市郊外のトレーラーハウスで隠れて暮らす大女ディヴァインとその家族。「世界一卑しい人間」という称号を得ているディヴァイン。一方レイモンドとコニーのマーブル兄妹は自分たちこそ世界中で一番卑しい人間だと自負。ディヴァインを目のかたきにする。かくしてハイテンションな変態合戦が繰り広げられる。
この写真、実は自分の私物のパンフレットで、昔、映画館で見たときに買ったものです。パンフには「昭和61年6月21日発行」と記されています。1986年。今(2002年)から16年前。うーん、古い。吉祥寺の映画館。チラシも入っていて料金が当日1,500円。今が1,800円なので意外に映画料金は上がっていない?
今回はビデオで15分ほどシーンが追加されたニューバージョンで見ました。もちろん16年前の記憶は定かではないのでどこが増えたのか分かりません。ただしぼかしが小さくなっていたのは確かです。パーティの肛門ダンスやらもろもろのお下劣シーンで分かりました。
この映画、低予算の割には流して作ってなく、作りは丁寧で凝っています。それと出てくる奴らがよくしゃべる。汚い言葉を口から次々と発射。そのテンポがいい。低予算だからか、それとも撮影のセンスの良さが出ていたのか、小さなトレーラーハウス炎上シーンが大スペクタクル。迫力があります。
でもホントの変態は自分のことを「変態」だとは思っていないはず。だからどちらが変態か? などとは張り合わないはず。
最後の犬のウンコを食べるシーンはうぇって感じです。やっぱディヴァインは正真正銘の変態だったのかな。
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