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フレンチ・コネクション
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1971年米。監督 ウィリアム・フリードキン 主演 ジーン・ハックマン。 刑事物の金字塔。スーパーハイパー刑事アクション映画。 ジーン・ハックマン演じる刑事、ポパイが殴る、蹴る、怒鳴る、走る! 短いカットの連打、たたきつけるような語り口。 ニューヨーク市警麻薬課に勤務するドイル=ポパイは、ヘロイン50キロの取り引きをかぎつけ、フランスからの密輸を一網打尽にしようと執念の捜査を行う。 同じ男として、仕事に全精力をかたむけるポパイがうらやましいです。異常とも思えるほどの執念、バイタリティ。映画自体もヒートアップ、エネルギーが炸裂してます。説明的なカットを排して、贅肉をそぎ落としたようなシンプルな作り。 自分が一番好きなカットは、橋を封鎖したポパイがシャルニエに手を振るところ。この対決は一介の地方公務員にすぎないポパイと、麻薬組織の大物シャルニエとの、身分やら経歴、肩書きなどをとっぱらった個人対個人、男と男の戦いまでに昇華しています。 内容とは関係ないのですが、ミニスカート、白のロングブーツの女の子が出てきて、今(2001年)の女の子とファッションが似ているなぁ、と思いました。 この映画を見ていると、ニューヨークの冬はとても寒そうです。
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フレンチ・コネクション2
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1975年米。監督 ジョン・フランケンハイマー 主演 ジーン・ハックマン。 前作で惜しいところで逃げられたシャルニエを追い、ポパイがマルセイユへ。現地の警察と協力して、シャルニエの組織を追いつめます。 冒頭に出てくる役者、フィリップ・レオタール、シャルニエの部下なのですが、後に「ラ・バランス」というフランスの傑作フィルムノワールで主演をしています。こちらの方はものすごくオススメです。 「フレンチ・コネクション2」は前作と比べてしまうと、少しきつい映画です。ただ「フレンチ・コネクション」の方は出来が飛び抜けすぎていて、監督のウィリアム・フリードキンも後年、「L.A.大走査線」という刑事アクション映画をつくりますが、「フレンチ・コネクション」には遠く及びませんでした。「2」が前作よりもいいと思ったところは、麻薬の恐怖を描いているところ、ポパイの腕時計を盗むヤク中の老婆のシーンは背筋が凍ります。それとラストシーンの歯切れのよさが印象に残ります。そのほかは前作と比べると、映画とテレビドラマくらいの質の差を感じてしまいます。 ポパイの使用する拳銃がいいです。自分はリボルバーの方が拳銃はかっこいいと思っています。近年では「フロム・ダスク・ティル・ドーン」の拳銃がよかった。今のアクション映画はみなオートマチックなのが残念です。
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フランケンシュタインと地獄の怪物
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1973年英。監督 テレンス・フィッシャー。主演 ピーター・カッシング。 ビデオに完全ノーカット版と書いてあるのですが、こんな暗くて何やっているか分からない、眠くなるような映画に・・・と思っていたのですが、1時間も過ぎる頃、この映画の良さが分かってきました。話の内容は人造人間を作ろうとして逮捕され裁判で精神病院に入院させられたサイモン、その病院に主治医としてフランケンシュタインがいたことから彼は人造人間作りに助手として協力します。フランケンシュタインは入院患者を必要とあらば殺害してパーツ取り。院長の娘サラ(口が利けない)が、両手をやけどして繊細な動きのとれないフランケンシュタインの代わりに人造人間の手術、サイモンが後に執刀。生まれた怪物はゴリラのような代物。このモンスター以上に異常性を発揮するのは登場人物の面々。誰一人まともな人間がいない。フランケンシュタインはもちろんのこと、「囚人たちか、みんな異常なやつらだぞ」と言い放つ院長は自分の娘サラを強姦しているし、サイモンもさんざんノリノリだったくせに途中後ろめたさを感じるような発言をし出す(でも結局フランケンシュタインの言いなり)、助手のサラも何の前触れもなくしゃべりだし今まで囚人たちの肉体をおもちゃのように扱ってきたのをなかったことにするかのように「助けて」と善人ぶる始末。サディスティックな看守たち。入院患者たちは最後に怪物に群がり、怪物の肉片を歓喜しながらひきちぎる。 それらの異常な登場人物たち、銃弾2発で仕留められてしまう弱いモンスター、結局怪物自身は一人しか殺さない、トホホさ加減満点の味わい深い映画。古い恐怖映画とスプラッタームービーが衝突したような印象を受けます。
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