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ゴッドファーザー
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1972年米。監督 フランシス・コッポラ。主演 マーロン・ブランド。 アメリカのマフィアを描いた大傑作。「家庭を大切にしない男は男じゃない」とはビトー・コルレオーネの言。その言葉通り、何事もファミリー基盤の思想の持ち主たち。自分の身内のためなら、関係ない映画プロデューサーの愛馬の首を切り落として脅しをかけるのも朝飯前です。もう少しこのエピソードを詳しく話しますと、ドン・コルレオーネのところに落ち目のスター、ジョニーが再起をかけて映画の役が欲しくて、プロデューサーのウオルツに掛け合ってくれと泣きついてきます。ドン・コルレオーネはジョニーの名付け親です。ドンはすぐさま腹心のトムをハリウッドにやります。ウオルツは確かにあの役はジョニーに適任だが、役はやれない、と突っぱねます。理由は自分が手塩にかけた新人女優がジョニーの誘惑によってつぶされたからです。テレビ用に編集し直された「ゴッドファーザーサガ」だとその金の卵であった新人女優がウオルツの娘だったと分かります。 落合信彦著「映画が僕を世界へ翔ばせてくれた」によると、ジョニーのモデルはフランク・シナトラで、頼まれたマフィアはカルロ・ギャンビーノ、シナトラが出演できた映画は「地上より永遠に」だそうです。 最初の結婚式のシーンから秀逸。素晴らしい映像美、構成、役者の演技合戦。アル・パチーノもものすごい。自分はゴッドファーザーシリーズと「スカーフェイス」の2本が、アル・パチーノが演じている役柄の中で双璧をなしているのではないかと思います。 登場人物が多いので1回見ただけではよく分からないかと思います。何度か繰り返し見て、人物、人間関係を頭に入れましょう。
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ゴッドファーザーPART2
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1974年米。監督 フランシス・コッポラ。主演 アル・パチーノ。 前作でビトー(マーロン・ブランド)の跡目を継いだ三男マイケル(アル・パチーノ)が主役です。古き良き父の時代は去り、マイケルの置かれている状況はいっそう厳しくなり、混迷を深めていきます。侠客のように振る舞えた父、息子の方はそうはいかず実業家のように組織を運営して行かねばなりません。ロバート・デニーロ扮する若き日のビトーのエピソードが挿入され、どこか牧歌的で成り上がりをみせ明るいのに対して、よりマイケルの閉塞感が際だちます。 今回はマイアミのロスが非常に怖いです。前回の敵、バルジーニの比でありません。人間の皮をかぶった悪魔のような不気味さが、いっさいこけおどしは使わずに滲み出てきます。 とにかくこのシリーズのすごいところは、役者の演技です。細胞そのものまでが変化しているかのような、演技、キャラクター造形をしています。かといって力演ではなく、より自然な、演技をしていないような演技です。 よくヒット作の続編はつまらなかったりするのですが、ゴッドファーザーに関してはそんなことはありません。あの名作であった第一作をより「深化」させた映画を堪能することが出来ます。 自分は3作あるうちの1本、どれが1番面白いのかあげろと言われたら、このPART2を推奨します。
1990年制作のPART3は批評家の評判は芳しくなかったようですが、自分はとても楽しめました。3本(どれも超一級)まとめて、ついでに「ゴッドファーザーサガ」も押さえておけば、ゴッドファーザー通になれます。とてもオススメです。
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死体と遊ぶな子どもたち
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1972年米。監督 ベンジャミン・クラーク。 この映画、ぴあシネマクラブに掲載されていません。あまりにマイナーだから? 6人の若い男女が島にヨットでやってきます。6人は劇団の仲間です。座長は死体をよみがえらせようと儀式を始めますが失敗、悪ふざけをしていると、死体たちが次々とよみがえり若者たちをおそいます。 手作り感覚の映画。ワイドショーの再現フィルムのような雰囲気。 ゾンビが出てくる割には血しぶきも内蔵もほとんど出てきませんし、異色といえばゾンビにかまれてもゾンビ化しません。ゾンビのメイクが「死霊のはらわた」(1983年)に似ています。ここが怖がるポイントだったらしく、やたらゾンビの顔のアップが出てきます。ゾンビが出てくるまでの前フリが無駄に長く、ゾンビが出てきてからもサバイバルというほどの物があるわけでもなく、ついに盛り上がることなく映画は終わってしまいます。でも随所に「がんばっているんだなぁ」という形跡が見られ、一概につまらないとも言い切れません。 チープなC級映画を満喫したい人にはもってこいの映画です。
★後日、新映画宝庫Vol.3スプラッターカーニバル(大洋図書刊)を読んで判明したのですが、この作品はマイアミ大学の学生の自主映画で、制作費2万ドル、撮影日数2週間。公開当時、意外にヒットしたらしく、監督はその後メジャーデビューしたそうです。
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