夢惑う世界・昆虫たち 昆虫の散文<木漏れ日> 昆虫燦々
夢惑う世界 ボカシタテハ属 Euphaedra
2001年1月5日 森みつぐ

 アフリカに生息するボカシタテハ属は、主に森林の下層に棲みついている。熟した果実など落下して醗酵した実に、よく集まってくる。動きは、あまり活発ではないが、一度翔び立つと近づくにはなかなか困難である。スピードがないので、近づいてきたときが採りやすい。東南アジアに生息するイナズマチョウの仲間と習性が似通っている大形のタテハチョウである。
 雌と雄とは、大きさがかなり違う種がいて、最初の頃私は、雌と雄を別種扱いにしていたこともある。色彩は、名前の示すとおりくっきりとした色合いではないが、美しい色彩の種が多い。特に、ピンクや金色を配した種もいる。この仲間は、雌の方もなかなか美しい。

 ガボンでやっと見つけた、ちょっと薄暗い林内に入ってゆくと前方から翔んできたチョウと擦れ違ったが、暗くてよく見えなかった。また歩いていると前方に大形のチョウがいる。驚かさないように何度かゆっくりと近づいてゆき、網を振ることができた。後翅裏が薄いピンクの美しいボカシタテハであった。

ガーナ/テミスボカシタテハ
  テミスボカシタテハ  
大きく翅を広げると
今までの秘密が解き放される
木の葉の間を漏れてきた陽が
驚いたように色彩を帯びてくる
そして、ゆっくりと向きを変え
落ち葉に埋もれた大地をひとっ跳び

クマゼミ 昆虫図鑑2.3.2 チョウの館ボカシタテハ属を、ご覧下さい。

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