夢惑う世界・昆虫たち 昆虫の散文<木漏れ日> 昆虫燦々 |
モンキチョウ属 Colias | |||||||||||||||||||||
2003年1月6日 森みつぐ モンキチョウ属は、寒帯、温帯地方の草原を中心に世界に広く分布しているシロチョウの仲間である。日本にも、ごく普通に見かけるモンキチョウと高山地帯に限定分布するミヤマモンキチョウの2種が生息している。モンキチョウは、日本では北は北海道から南は亜熱帯の沖縄県八重山諸島まで広く分布している。但し、八重山諸島の夏には、夏眠状態のようで私は一度も見たことはない。
モンキチョウの雌には、翅の色が黄と白の2タイプが存在するが、モンキチョウ属全般に亘って、この傾向はある。しかし、全ての種ではない。モンキチョウ属は、模様や色彩において奇抜な種は殆ど見かけない。やはり寒帯、温帯地方を中心とするチョウだからであろう。ただアメリカのカリフォルニアの方に棲むというカリフォルニアイヌモンキチョウは、紫色の幻光色を持っているとのことであるが、私はそこに行ったことがまだないので紹介することはできない。
モンキチョウ属のチョウは、大変神経質なチョウでなかなか傍に近づくことができなく、一度警戒するともう殆どお手上げ状態である。でも草原に咲く花にぽつんと止まっている光景は、私は大好きである。タンポポには、モンキチョウが一番似合うチョウかも知れない。
モンゴルの草原で採集しているとき、アムールモンキチョウは驚かすと遠くへと翔んでゆき、叢の中に姿を眩ませてしまった。そのまま遠くへと逃げてしまえばいいのだが、叢に身を隠すのである。しつこく追いかけてくるのは、人間だけなのかも知れないが。
熱帯地方にモンキチョウがいるなんて知らないまま、ケニアの赤道直下の町に宿をとり、近くを散策していた。国道では車が、スピードを出して走り抜けてゆく。その横をオレンジ色のチョウが通り抜けてゆく。“おっ!何だ、あのチョウは?”と思いながら歩いていたが、こんなところで網を振ることはできないので指をくわえながら見ているだけだった。暫く国道を歩いていると、路傍にそのチョウが横たわっていた。交通事故である。手に取ってみるとモンキチョウである。エチオピア区にもモンキチョウはいた。
美しく咲き乱れる花たち |
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昆虫図鑑2.3.2 チョウの館モンキチョウ属を、ご覧下さい。
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