夢惑う世界・昆虫たち 昆虫の散文<木漏れ日> 昆虫燦々 |
アゲハチョウ属その1 Papillio | |||||||||||||||||||||
1991年11月14日 森みつぐ アゲハチョウ属は、東南アジアに約80種分布している。この仲間は、大形で見栄えのするチョウたちが多い。日本には、アゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハなど馴染みのアゲハがこの属に含まれ、全部で10種生息している。大形のチョウなので、ゆっくりと羽ばたきながら翔ぶように見えるが、意外と早く採りにくい。これらのチョウの多くは、蝶道という同じコースを何度もなぞるようにして翔ぶ習性がある。驚かさなければ、何度も行ったり来たりするのが見受けられる。真っ黒な生地にメタリックブルーやメタリックグリーンを上塗りした誠に美しいアゲハも数種いる。
ジャングルを通り抜け、少し開けた叢林の小径を行く。去年、初めてここを訪れたとき、溢れんばかりの光の中を一匹の黒いアゲハが翅を煌めかせながら通り過ぎていった。今年も、その径を歩く。渓流を渡り、更に進む。ここで径が終わりだと思っていた場所より、まだ先に径は続いていた。更に先を行く。20分位であろうか、渓流にぶつかり岩場が続く場所に着いた。ここで暫くチョウを採っていると5〜6m位の木の梢に黒いチョウが舞い降りてきた。“あ!あれだ!!”翅を開いたとき、メタリックグリーンの輝きを放つ。翅を2度3度と開いたり閉じたり。でも、網は届かない。じっと見とれていると、まもなく翔び去っていった。オオオビクジャクアゲハである。このチョウは、インドネシア、スラウェシ島にしかいない。総天然色の夢は、やはり美しい。
これらの美しいアゲハたちは、インドネシアからニューギニア、オーストラリアにかけても数種類生息している。緑の中を空高く舞い踊る、これらアゲハたちを心地好い汗を滴らせながら、ゆったりと見つめてみたいものである。
陽は容赦なく照りつけ |
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昆虫図鑑2.3.2 チョウの館アゲハ属その3を、ご覧下さい。
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