夢惑う世界・昆虫たち 昆虫の散文<木漏れ日> 昆虫燦々
夢惑う世界 ハンミョウ科 Cicindelidae
2001年5月5日 森みつぐ

 山野を歩いていると、足下からハエみたいな虫が飛んではまた近くに止まったりしていたことを経験したことはないだろうか。ところがこの虫、ハエとは違い歩き廻ったりもしている。これが、細く長いの持ち主であるハンミョウである。大きなを持った肉食の昆虫である。
 私は、歩くのが好きである。だから、ハンミョウとは、が深い。多くの種が開かれた土地の道を好むのだが、中には林内の小径だったり、葉上だったりと様々である。また、ハエのように飛ぶと思っていると見過ごしてしまう飛べないグループもいる。アフリカに生息するヒゲブトハンミョウ属は、アリと見間違ってしまう。東洋区、オセアニア区にも飛べないはハネナシハンミョウ属がいるが、アリと間違うには、ちょっと体が大きい。新北区、新熱帯区のオオズハンミョウ属は、アリに似ていないので、間違うことはない。
 ハンミョウ科には、色彩紋様が美しい種類が多い。特に、日本の本州から沖縄にかけて分布するハンミョウに、美しさで優るものは他に見ていない。地域や個体差による違いも目を見張るものがある。また、アマミハンミョウやメダカハンミョウもいい。

 南米スリナムの林内に、ぽっかり開いた空き地を歩いていた。この辺りは、白い砂の大地である。砂の上では、アリが這い回っている。何かいないかなと思い見ていると、アリバチがいた。他にはいないかなと思い、更に探しているとアリとは違う黒っぽいのが歩き廻っていた。それまで、飛ばなかったから気付かなかったのだが。
日本、山梨県十島/ハンミョウ
  ハンミョウ  
熱く熱せられた白い砂
陽炎が強く立ち籠もる
砂を這う蔓草の葉の間を
縫うアリとともに
あっちへ、こっちへハンミョウも道連れ

ツマベニチョウ 昆虫図鑑2.3.2 甲虫の館ハンミョウ科を、ご覧下さい。

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