夢惑う世界・昆虫たち 昆虫の散文<木漏れ日> 昆虫燦々 |
ハレギチョウ属 Cethosia | |||||||||||||||||||||
1991年2月13日 森みつぐ ハレギチョウは、インドからオーストラリアにかけて15種類分布するが、日本には残念ながら生息していない。赤茶けた地色にやけに切れ込みの大きな黒い縁取りの翅を持った妖しい雰囲気のチョウであり、漢字で晴れ着蝶と書く。
強烈な太陽の照り付ける中をゆっくりと舞う。光溢れる中では、真っ赤な炎のように映える。このチョウも毒チョウ独特の行動と、艶やか色彩を呈する。 このチョウと初めて出会ったのは、マレーシアへの旅の5日目のことであった。
拠点の町タナラタよりバスで1時間余り幾重にも曲がりくねった山道を下ったところに水力発電所がある。ここからジャングルへと入ってゆく。1時間半ばかり歩くと行き止まりになるが、その途中に2,3ヶ所、沢の水が流れていて、いろいろなチョウがよく訪れる。私はどうも、1ヶ所にじっとしているのは苦手で、歩き廻りながら出会った虫を採集するというスタイルを採っている。だから全然、採れないときもあるが、爽やかな緑の中を歩くだけで満足である。今日も3往復、のんびりと歩く。翳り始めた径からは、だんだんチョウの姿が消えてゆく。ふと頭上を見遣ると、幾条もの木漏れ日の中を、真っ赤に燃えたチョウが舞い降りてきた。ほんの僅かな時間のうちに、鼓動は絶頂に達していた。 ハレギチョウは、東南アジアを代表するチョウであり、そのゆっくり翔ぶ姿は、何とも云えない優雅さを感じる。インドネシア・スラウェシ島に棲むハレギチョウは、他の地域のとは色彩が違って紫色を帯びている。
炎天下の中延々と続く道を行く |
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昆虫図鑑2.3.2 チョウの館ハレギチョウ属を、ご覧下さい。
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