夢惑う世界・昆虫たち 昆虫の散文<木漏れ日> 昆虫燦々 |
セミ科その2 Cicadidae | |||||||||||||||||||||
2001年12月29日 森みつぐ 世界にセミは、3000種いると云われている。本当に、こんなにいるかどうかは私には、分かりようがない。北東から南西にとひょろ長い日本にも、34種類のセミがいる位だから、それ位はいてもおかしくないかも知れない。ただ、3000種類ものセミの啼き声を聴いても、多分、私には聴き分けることができないと思われる。
私が学生時代まで暮らしていた北海道で採集したセミは、コエゾゼミ、エゾゼミ、アカエゾゼミ、エゾチッチゼミ、エゾハルゼミ、アブラゼミである。これらは、何とか採集できたのだが、熱帯地方に行くと、そうはいかない。鬱蒼とした森林内で、何処で啼いているかなんて分からない。まして、聳え立つ大木の上では、如何ともし難いのである。だからこそ、採ったときの感動は、何にもまして得難いものである。道端で拾うセミも多いのだが。
テイオウゼミみたいな巨大なセミから、クサゼミみたいな小形のセミもいる。アルゼンチンの荒涼としたパタゴニア地方にも小形のセミが2種類もいたのには、ちょっと驚いてしまった。
東南アジアとその周辺が一番セミが、多そうである。次は、中南米であるが、そう多くはなさそうだ。ひょっとすると、北米の方が賑やかそうである。そして、アフリカは、非常に少なく、ニイニイゼミが主である。従って、ヨーロッパは更に少なくなる。
啼き声は、私はエゾハルゼミが大好きである。爽やかな北海道の5月から6月にかけての新緑の中を歩き廻っているときに、このセミの大合唱を聴くと気持ちよくなってくる。 香港の大嶼山を歩いていたら、何処からともなく、変な音がしてくる。なんだかよく分からないまま歩いていると、黒っぽい物が灌木から飛び出してきた。掴まえてみるとそれは、黒い翅のセミだった。ハグロゼミである。動きが鈍くて、飛んでもすぐ近くに止まる。多分、味の悪い毒ゼミのようである。
蕗に埋もれた径を往く |
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昆虫図鑑2.3.5 その他の虫の館チッチゼミ亜科を、ご覧下さい。
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