夢惑う世界・昆虫たち 昆虫の散文<木漏れ日> 昆虫燦々
夢惑う世界 マエモンジャコウアゲハ属 Parides
2001年5月3日 森みつぐ

 中南米の新熱帯区に分布するマエモンジャコウアゲハ属は、雄の前翅中央部が鮮やかな色彩の種が多く、そして後翅は、薄紅色の斑紋を持つ。余り大きな種はいないのだが、中南米の採集では、特に、掴まえたくなるアゲハである。 開けた場所は好まなく、また鬱蒼とした林内よりは、林縁部に見受けられる。ただ、林内を歩いていて、突然翔び出してくることがあるので、多分休息時は、林内の木陰を好むようである。このような休息地に出会すと、案外たやすく採集することができる。また同じコースを通り過ぎてゆくのを見受けられるため、コースの途中で待っていると、苦労せずに掴むこともできる。日本に棲んでいるジャコウアゲハや、ベニモンアゲハのように、緩やかな翔び方をするので、一度失敗しても、必ず逃げられるということはない。
 紋様や色彩の似通った種類が多く、特に雌は似ているので、場所が変わると同じ種なのか別種なのか、よく分からない。

 初めて訪れた中南米は、メキシコであった。1回位は、マエモンジャコウアゲハを見てみたいと思っていたのだが、初日から掴まえることができた。まっすぐ飛ぶので、網を振るのは苦労はしない。牧場脇の林縁で採集していると、網が届きそうで届かない木の花々に、前翅が美しくメタリックグリーンに輝いているアゲハが来ていた。でも、なかなか網の所まで舞い降りて来てくれない。
ブラジル/ペッレブスマエモンジャコウアゲハ
  ペッレブスマエモンジャコウアゲハ  
川は、流れてゆく
暑い暑い炎天下の中を
更に、セミのが追い打ちをかける
今が、たけなわの木の花々に
花蜜に酔いしれてチョウが舞う
待とう、ここで酔い潰れるまで

ギフチョウ 昆虫図鑑2.3.2 チョウの館マエモンジャコウアゲハ属を、ご覧下さい。

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