夢惑う世界・昆虫たち 昆虫の散文<木漏れ日> 昆虫燦々 |
イシガケチョウ属 Cyrestis | |||||||||||||||||||||
1991年2月27日 森みつぐ イシガケチョウは、東洋区に20数種分布しており、日本には、イシガケチョウ1種が紀伊半島まで勢力を広げてきている。イシガケチョウは、漢字で石崖蝶、台湾では地図蝶と呼ばれているのでも分かるように網目模様の翅を大きく広げて止まる。今までに6種類のイシガケチョウを採ったが、皆同じような性質であった。ただ、1種類だけ掴まえるまでイシガケチョウの仲間だとは気付かなかったチョウもいたが、殆どの種類がゆっくりと翔ぶ。フィリピン、パラワン島で見たカッサンデルイシガケチョウは、華奢な感じでジャングルの薄暗い中を弱々しく翔び、木の葉に止まったかと思うと風景に溶け込んでなかなか見つけにくい。 ここインドネシア、スラウェシ島は、今は雨季。1月3日、今日が最後のお散歩である。車道から1時間半、渓流に辿り着く。多分乾期においては、靴を濡らさないで渡ることができると思うが、今は噴流の中、膝まで浸かることになる。今日は、渓流の岩の上で過ごす。汗臭くなった靴やTシャツを洗って、乾くまで裸足ではちょっと熱すぎるが岩の上に陣取って日光浴。先程、人の周りをうろちょろして去っていったチョウが、またやって来た。やけに近くを翔び回るので網を振ることもできない。チャンスを待つ。ひと振り。“あれ!逃げちゃ駄目!!”慌てふためいて滅茶苦茶、網を振る。それは意外にも、茶色っぽいイシガケチョウであった。 新大陸・南米には、イシガケチョウは分布していないが、これに近い仲間がいて、より尾状突起が長く、また未知のチョウへの羨望か、一層華麗である。いつか南米の光溢れるジャングルの中で翔んでいる姿を見てみたい。近い将来、必ず。
乾ききったジャングルの中 |
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昆虫図鑑2.3.2 チョウの館イシガケチョウ属を、ご覧下さい。
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