散文・昆虫たち１

夢惑う世界・昆虫たち

昆虫の散文＜木漏れ日＞

散文・昆虫たち

散文・昆虫たち１

１　ソラナウズマキタテハ（ハガタウズマキタテハ）

（タテハチョウ科ウズマキタテハ属）　Callicore sorana

　鮮やかな青や赤で彩られたウズマキタテハの仲間は、中南米の新熱帯区に広く生息している。鬱蒼とした森林内には少なく、その周辺に見られる。

　ボリビア・アンデス中腹の町コロイコより下ること３時間、道は滝の横を通る。青く燦めくモルフォチョウが、ゆっくりと滝へ向かって翔んでゆく。そこを、通り過ぎると、ときたま通る車の轍にできた水溜まりの縁に、多くのチョウが吸水しに訪れていた。その中に、このウズマキタテハもいた。敏感に人の気配を感じて舞い上がり、そして木漏れ日を受けてゆっくりと翔ぶ姿は、得も言われぬ美しさである。







	（オス表）		（オス裏）開帳　５１ｍｍ

	Fig.1s　ソラナウズマキタテハ（ボリビア・コロイコ産）

２　ノミオンウスバアゲハ（オオアカボシウスバシロチョウ）

（アゲハチョウ科ウスバアゲハ属）　Parnassius Nomion

　森林内の開けた草原には、様々な花が咲き乱れている。首都ウランバートルから車で２時間ほどの所にある景勝地である。花々には、多くのヒョウモンモドキなどのチョウが舞い巡っている。

　この爽やかな絨毯の上を歩いていると、遠くで白っぽい物がふわりふわりと風に吹かれてやってきた。”あ！あれだ！！”草原を横切る前に、もうダッシュ。紅色の斑点が、何とも妖しく美しいチョウである







	（表）		（裏）開帳　６９ｍｍ

	Fig.2s　ノミオンウスバアゲハ（モンゴル・テレルジ産）