散文・昆虫たち１２１

夢惑う世界・昆虫たち

昆虫の散文＜木漏れ日＞

散文・昆虫たち

散文・昆虫たち１２１

２４１　ギリップスカバマダラ（ジョウオウマダラ）

（マダラチョウ科カバマダラ属）　Anosia gilippus

　ほとんど採集場所もなくトリニダーの街から１時間ほど歩いて見つけた、鉄道脇の場所である。

　今日で最後なのだが、やっぱりぱっとしない。２～３回、ジョウオウマダラが翔んでゆくのは見かけたのだが、通り過ぎるだけだった。ぼけっとしていると頭上をよぎる物があったので、振り返って確かめてみると、もうそこには何もいなかった。“あれ！”と思っていると、土手の草の間を彷徨うように、チョコレート色のチョウが翔んでいた。







	（メス表）		（メス裏）開帳　６７ｍｍ

	Fig.241s　ギリップスカバマダラ（キューバ、トリニダー産）

２４２　ムニスゼキツヤケカブトムシ

（コガネムシ科ツヤケカブトムシ属）　Spodistes mniszechi

　ボケチのホテルから目的地の森林まで、ほぼ５０分くらいかかる。乾期の終わりのこの時期の道は、非常に埃っぽくて、ちょっと風が吹くと砂埃が舞う。

　今日も、その森林へ行く。そして、この道から森林への脇道の所まで来たとき、足下に脚をばたつかせている甲虫がいた。拾い上げてみると、初めて見るカブトムシである。残念ながら雌みたいであるが、嬉しいものである。







	（メス）体長　３１ｍｍ

	Fig.242s　ムニスゼキツヤケカブトムシ（パナマ、ボケチ産）