散文・昆虫たち４０

夢惑う世界・昆虫たち

昆虫の散文＜木漏れ日＞

散文・昆虫たち

散文・昆虫たち４０

７９　キアネハレギチョウ（アオハレギチョウ、ツマグロハレギチョウ）

（タテハチョウ科ハレギチョウ属）　Cethosia cyane

　ミャンマー東北部の避暑地ピン・ウー・ルウィンから２７ｋｍほど離れたところにある寺院近くの渓谷で採集していた。東南アジアは、３～５月が暑い夏であるが、８月は雨季である。でも今日は、ちょっぴり晴れている。

　渓谷の入り口付近は、少し乾燥気味の植生になっていた。カバタテハやジャノメタテハモドキが、私が歩き出すと翔び立つ。その先では、スジグロカバマダラが、ゆっくりと翔んでいた。“スジグロカバマダラは、いいや！”と思いながら、ゆっくりと歩いていると向こうから近付いてきた。“あっ！違うんじゃないの！！”







	（オス表）		（オス裏）開帳　７４ｍｍ

	Fig.79s　キアネハレギチョウ（ミャンマー、ピン・ウー・ルウィン産）

８０　リベッルロイデスオオモンウスバカゲロウ

（ウスバカゲロウ科オオモンウスバカゲロウ属）　Palpares libelluloides

　ギリシャ北部の町カテリーニに泊まった。地図で見た通り山はあったが、歩いてゆくにはちょっと遠い。山の手前にある小高い丘で採集することにした。

　午前中、天気は良かったのだが昼過ぎから雨になってしまった。降ったり止んだりなので、雨宿りをしながら採集していた。帰るときも雨が降っていたので傘を差して歩いていたら、突然傘の中に大きな虫が飛び込んできた。ウスバカゲロウである。逃げられないように傘で行き手を遮りながら、くるっと１回転して素手で掴まえた。“大きいな！”







	（オス）体長　５４ｍｍ

	Fig.80s　リベッルロイデスオオモンウスバカゲロウ（ギリシャ、カテリーニ産）