町中から４０分ほど歩いた林での採集である。今回の旅で、今日が一番天気が悪そうだ。午前中、３０分ほど雨が降っていた。チョウも余り翔んでいない。ところがそんな薄暗い所が好きなのか、翔んでいても余り目立たないホソバジャコウアゲハがときどき訪れる。以前、掴まえたのは、まともな翅でなかったが、今回は尾っぽがちゃんと付いていた。"おっ！また来たよ！！"

　郊外の牧場内に僅かに残された林で採集した。牧場内には、牛や馬に食べられないための棘などを持った植物が残っている。“何かいないか？”と思って探していると、そんな花にゾウムシを見つけた。“慌てることはない！まずはカメラを！”と思って、カメラを向けると、そのゾウムシは、慌てふためいて転げるように下に落ちていった。そこは、鋸歯が付いたような堅い葉の間である。やっとピンセットで摘み出したときには、私の手も血が滲んでいた。“痛っ！”