夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その112 発行日   2010年7月18日
編集・著作者     森 みつぐ
  季節風
 早くも7月中旬になってしまい、路傍でぐんぐんと背丈を伸ばしてきた大きなオオイタドリが歩道を塞ぎ始めてきたと思っていたら、花を付ける前にすっかり刈り取られてしまった。オオイタドリは、本州以南のイタドリに比べて遥かに大きく、2m以上の背丈に育ってしまうのである。
 6月下旬に啼き止んでしまったエゾハルゼミに変わって、先週からコエゾゼミの啼き聲が聞こえ始めている。夏のセミが登場し、そして間もなくハネナガキリギリスも鳴き始めることだろう。
  言いたい放題
 「通常より勤務時間の短い「短時間正社員」制度が広がっている。」という記事が新聞に載っていた。「改正育児・介護休業法で、3歳未満の子どもを育てる社員への短時間勤務の導入を企業に義務づけた。そして、それ以外の理由でも短時間勤務を認める企業も出てきている。」とのことである。
 当然、短時間勤務にすると給与は減るが、私は、働いていたときからお金より時間を優先した生活を重視していたので、このような「短時間正社員」制度があれば、真っ先に利用していたことだろう。短時間勤務で問題になることは、短時間勤務者のせいで周囲にしわ寄せが行き、職場に不満が高まる恐れがあるということらしいが、もしそうならば、導入した制度そのものに対応する職場環境(人員他)に不備があるということであろう。短時間勤務を気持ちよく取得する環境にすることが企業に求められるだろう。
 記事の中で、「学習院大経済学部の脇坂明教授(労働経済学)は「正社員として仕事を続けながら勤務時間を短くできる点で、働く側から短時間正社員制度を求める声は高い。多様な働き方を認め、柔軟に対応すれば、組織の強化や活性化につながり、社員の満足度や忠誠心も高められる。義務化を機に、労使双方が制度をいかす知恵を絞るべきだ」と。
  つくしんぼの詩
 「サラリーマン 小遣い月4万600円」(読売新聞)。小遣いが昨年より5000円減少したとのことである。毎回、この額を見て思うのだが、私としたら余裕の小遣いであり、"本当に、こんなに貰っているのだろうか?"と疑問に感じてしまうのである。
 私の一月の食費・雑費代は、4万円にもならないが、それに交際費を加えて4万円は十分のように思われるが、やはり、都会ではそうはいかないのだろうか。年々、生活が厳しくなっていることは確かであろう。
  虫尽し
 昨日、今日と同じ山形県と宮城県の県境に近い林道を歩いていた。多くが檜林の林道だが、青空が広がり天気が良くて気持ちがいい。ときどき山菜採りの車と擦れ違いながら、ゆっくりと歩いていた。林道上を低く飛び回っているトンボがいたので網を振ると、やっぱりムカシトンボであった。
 そして今日、曇り空の下を歩いていたら、地面から飛び立つトンボがいた。久し振りのムカシヤンマである。そっと近寄り、写真を撮ってから、網を被せた。この時期だからこそ見られるトンボたちである。
  情報の小窓
『ヘッジファンドによって、これまで均衡を保ってきた世界システムが、あちこちで崩されていたのが、まさに金融危機直前までの状況であった。崩れたのち、また均衡化することは確かではあるが、それまでのあいだの不安定期は、一般の人びとの生活に計り知れない打撃を与える。
 儲けたのはヘッジファンドの投資家だけ。それもゼロサムゲームだから、儲けた人の分だけ損した人がいる。なおかつ実体経済においては、いま述べたように石油や食料など、あらゆる天然資源のバランスが崩される。これは世界にとってたいへんなマイナスである。』
 PHP新書「新しい資本主義 希望の大国・日本の可能性」原丈二著

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