夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その117 発行日 2011年1月23日
編集・著作者   森 みつぐ
  季節風
 最高気温でも氷点下5度程度の厳寒の気候が1週間続いたので、豊平川へ流れ込む支流の川がすっかり凍り付いてしまった。毎年1回は、凍り付く川なのだが、今年は、この後,融けたとしても、もう1回は凍り付きそうである。
 我が家にはベランダ側の窓から入り込む日差しを受けて2年目の冬を越している蜜柑の木がある。10月に部屋の中に取り込んでから、日に日に濃い緑の葉が薄れてくるのを感じるのだが、1月に入ってから木の天辺から新しい芽が顔を出してきた。まだまだ4ヶ月位はベランダに出せないのだが。
  言いたい放題
 「日本の孤独死や不明高齢者の問題は、痛ましい悲劇だ。コミュニティーの喪失がもたらしたと言えよう。「無縁社会」の原因は何か、自問する必要がある。原因のひとつは、現代の市場社会がもたらした豊かさだろう。それは極端な個人主義が加わり、社会の結束に課題を投げかけている。現代社会の道徳的な側面について、国民的なディベート(議論)を起こすことが第一だ。・・・」米ハーバード大マイケル・サンデル教授(読売新聞より)
 隣近所にすっかり無関心になってしまった人々、人と人との出会い擦れ違いを避け一切の煩わしさを排除しようとしている人々、現実に生きてる人と対話するよりネット上の仮想の人との対話を望む人々、地域社会には多くの人々が生活しているのにも拘らず全く地域とのつながりを絶ってしまっている。健康で金を持った強者のうちは、隣近所に頼らなくてもなんら衣食住にも困らない便利な社会システムが構築されているのである。
 ところがいったん弱者に陥ると、この便利な社会システムから落ちこぼれ、またつながりを失った地域社会とも疎遠となり、孤独の中へと堕ちてゆくのである。高齢者は、そのことだけでも弱者となってしまう。地域社会の再生は、一人ひとりが考え協同で推し進める必要があろう。
  つくしんぼの詩
 昨年の交通事故死者は、10年連続の減少の4863人だったと言う。北海道でも減少となったが、全国ワースト1位の215人だった。事故形態では「人対車両」が73人(全体の34%)で最多となり、中でも歩行中の死者が57人(全体の26%)となった。
 交通事故死の中で全体の3分1にもなる「人対車両」は殺人と何ら変わらない事件なのである。車を運転する人が、交通事故という認識ではなくて殺人事件という認識にならない限り、「人対車両」事故は激減することはないだろうと思っている。
  虫尽し
 マレー半島から船で1時間ほどのティオマン島にも、サルが棲んでいる。薄暗い林内を歩いていると、大木の上でざわざわと音がしたり、鳴き声もしていたのでサルがいることは分かっていたのだが、その姿を見たことがなかった。
 視界が開けた道に出て歩いていると、5〜6cmはあるかと思われるダンゴムシが歩いていた。ちょっとちょっかいを出すと、大きな団子になってしまった。そして近くの木々の上や道端にサルが顔を出しているのに気が付いた。ニホンザルほどの大きさなのだが、痩せたサルだった。
  情報の小窓
『「最高技術の設備をもつとしても、なお人の生命、身体に危険が及ぶことが予想される場合には、企業の操業短縮はもちろん、操業停止までも要請されることがある。住民の最も基本的な権利ともいうべき生命、健康を犠牲にしてまでも企業の利益を保護しなければならない理由はないからである」という新潟水俣病事件に対するし新潟地裁判決の言葉は、今日、企業に属する人間が一人ひとり、深く噛みしめなければならない言葉であろう。』
 角川oneテーマ21「組織と人間」小倉寛太郎・佐高信著

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