夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その120 発行日 2011年4月24日
編集・著作者   森 みつぐ
  季節風
 先週、今週と気温が10℃位で推移している。既に雪は、日当たりの悪い日陰を除いて消えているのだが、何せ気温が上昇しないため、草花は伸びてこない。紫や黄色のクロッカスの花が開き始めているが、日照が少なく、冷たい風で開き切る所まで達していないのである。
 毎年、真っ先に咲くエゾムラサキツツジの花も、いつもの庭で開き始めて来ている。10日前には、既にタンポポが一輪咲いていたが、未だにその一輪だけである。15℃以上の日が続くと虫さんも出てくるのだが、来月になりそうだ。
  言いたい放題
 大震災が発生してから、既に一月以上が経ったのだが、未だに被災地では見渡す限り瓦礫の海となったままである。仮設住宅は少ないながらも徐々に設置されてきている。これからは、被災者たちへの支援とともに、復興へ向けての応援をしてゆく必要があるだろう。
 最近、復興財源について話題になり始めている。消費税に3%上乗せして、震災への復興財源に充てようというのであり、全国民一丸となって復興の財源を捻出するのである。私は、この案には賛成する。現在あるシステムを利用して、いち早く財源を確保することは重要なことである。3%が確実に震災復興に充てること、被災者には増税分が戻ること、及び全国の低所得者にも増税分が戻るようにしてもらいたいものである。
 まずは、仮設住宅を設置し、各村落を復興させることであるが、復興計画が立たない限り、津波の被害を受けたところには、住宅を建てることは出来ない。それまでの間は、やはり仮設住宅の整備を急ぐ必要があろう。被災者たちへの負担を最小限に抑えながらの復興が大事である。
  つくしんぼの詩
 通学路に突っ込んできたクレーン車に撥ねられて6名の小学生が亡くなったと悲惨な交通事故のニュースが流れていた。居眠り運転(?)が原因のようであるが、交通事故は、起こるべきして起こるのである。事故の対象が人であるとき、そして子どもであるとき最悪の事態となる。
 交通事故の件数は減らすことは出来るだろうが、事故は必ず起きるということを前提に対策を考えなくてはならないだろう。人と自動車が同じ平面上で移動する限り、それは非常に難しい問題である。人の犠牲を前提に成り立っている自動車社会のシステムから脱却するために、人としてどうしたらいいか考えなくてはならない。
  虫尽し
 もう30年以上も前のことだが、江別市の野幌森林公園でよく昆虫採集をしたものである。6月に入るとウスバシロチョウを見かけていたので、札幌にいるというヒメウスバシロチョウは珍しいのだと思っていた。
 ところが札幌に戻ってきてから札幌付近には、ごく普通にヒメウスバシロチョウが翔んでいて、ウスバシロチョウが珍しいということが分かった。もう一度、野幌森林公園で網を振ってみたいのだが、HPには、“(マナー)昆虫、植物の採集はできるだけ控えましょう。”と書かれているので、自粛するほかないようだ。
  情報の小窓
『普通、経験を積めば積むほど、知恵がついてくる。欲も出てくる。その欲を実現していくためのこざかしい知恵もどんどんついてきます。なまじちょっと出生したり、組織の中で上に立つ立場になったりすると、おかしなことに本来とは違う知恵や欲が出てくる。
 最初はみんな、この国や自分が身を置く組織をよくしたいという純粋な思いで一生懸命に働く。ところがやがて力をつけなくては何も動かせないことに気づいて、力をつけるためのいろんな知恵を働かせているうちに、いつしかそうして権力を握ることが目的になってしまう。実に、ありがちです。
 ところが禅の修業をしていくと、そういう知恵がだんだん何かあほらしくなってくる。何をしようもないことを考えてたんやろと思うようになるんです。ここまでくればしめたもんです。』
 集英社新書「無の道を生きる−禅の辻説法」有馬ョ底著

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