夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その123 発行日 2011年11月20日
編集・著作者     森 みつぐ
  季節風
 平年より大分遅れたが、札幌にも初雪が到来した。多くの木々が夏の間、青々と茂らせていた葉をすっかり落としてしまったが、札幌の初雪は草や葉の上に薄っすらと白くする程度であった。
 初雪を迎える前、最高気温が14℃くらいで推移していたので、ベランダには雪虫の死骸がいっぱい転がっていた。そして部屋の中には、キイロショウジョウバエが入ってきていたのだが、それから二日後、雪が舞った。でも、根雪はまだ先であろう。
  言いたい放題
 長い間、国を閉ざしてきたヒマラヤの小国ブータンの緑豊かな自然を私は、大好きである。ただ昆虫採集を趣味とする私には、自由に昆虫採集の出来ないブータンには、残念ながら行くことはないだろう。先般、NHKで報道していたブータン奥地での幻の蝶といわれたブータンシボリアゲハの映像は、この上もない素晴らしい映像だった。私の場合は、奥地へ行って珍しい昆虫を採ることを目的としている訳ではないので、ブータンでも近場の山で網を持って歩き回ることが出来れば、それだけで幸せなのである。
 ブータンは、他国での幸福度の指標となるGDPの大きさ、経済的な豊かさにとらわれないで、独自の指標による「国民総幸福度」という考え方を推し進めようとしている。物や金に裏打ちされた幸せは、私は追い求めようとは思っていない。形ある物は、いつかは消えてなくなるのである。一瞬の幸せを積み重ねても、あるとき無残にも崩れてゆくのが運命である。
 グローバル化してゆく世界の中で、ブータンの門戸もどんどん開かれてゆくことだろう。若者たちを中心に文明化が進み、物に溢れた自由経済へと突入してゆく。そのときでも、ブータンの「国民総幸福度」の考え方は、変わらずにいて欲しいと思っている。心の豊かさを追い求めていきたいものである。
  つくしんぼの詩
 自転車が走行できる歩道の巾が、3mから4mへと変更された。私が住んでいる近くの国道の歩道は、自転車の走行が認められている。私も自転車に乗るときには、歩道の自転車ゾーンを走ることにしている。
 しかし、今回の法規改正によって、歩道幅が4m以内のところでは、車道を走ることになってしまう。交通量の多い国道の車道を走るのは、非常に危険である。例えば、川に架かる橋の歩道は狭いので、車道を走らなくてはならなくなるし、所々の歩道も狭まっているので、ここでも車道を走らなくてはならない。危険そのものである。早く、国道では、自転車道の整備をして欲しいものである。
  虫尽し
 インドネシア・スラウェシ島中部の山岳地帯で昆虫採集をしていた。朝方に晴れていても、午後になると必ずと言っていいほど雨が降ってくる。山の狭い小径なので、足元はずぶ濡れになってしまう。
 これだけだと、まだいいのだが、その後が良くない。広場に出ると、毎回、靴の中をチェックするのである。私の大嫌いなヒルである。今回は、2種類のヒルを見たが、念入りにチェックしていたので、被害に遭うことはなかった。
  情報の小窓
『一方、他者との比較で自分の価値を確認しているのが「コドモの自尊心」のもち主。こういう人は人間関係を「上か下か」で見る傾向が強く、本当の意味での自信も育っていないため、人から批判されたり拒絶されたりすると自分の存在を全否定されたように感じてしまいがちです。その結果、必要以上に傷ついて、ときには相手を恨んだり憎んだりすることもある。昨今、話題になっているストーカー殺人などは、その典型でしょう。』
 集英社新書「不幸な国の幸福論」加賀乙彦著

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