夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その137 発行日   2013年2月17日
編集・著作者     森 みつぐ
  季節風
 冬の折り返し点が過ぎ、2月も終われば、3月は雪融けの季節となる。もう少しである。この冬は、私の住む札幌の南の地域では、雪がかなり降って、積雪量も多くなっている。気温も未だに低い日が多いように感じている。
 私の家でこの冬を越している虫さんは、キアゲハの蛹一匹と、大形のドロバチの仲間の幼虫が二匹だけである。彼らにとっても、まだまだ耐えなくてはならない冬が続いている。
  言いたい放題
 先月の新聞記事である。「自民党は23日、自動車の購入時に掛かる「自動車取得税」について、消費税率が10%に上がる2015年10月に廃止する方針を固めた。自動車重量税については存続させた上で、環境性能に優れた車を購入する際に重量税を軽減するエコカー減税を恒久化する。・・・(省略)・・・消費税増税で自動車購入者の負担が増すとして、自動車業界は取得税・重量税の廃止を求めてきた。(読売新聞より)」
 私は、人の命と引き換えに便利さを得ようとは思っていないし、地球環境の悪化と引き換えに便利さを得ようとも思っていない。自動車(産業)は、社会の発展に大きく寄与してきたことは確かである。しかし、その反面、多くの人命を奪うという、負の側面も非常に大きい。経済に大きく貢献しているというプラス面に対して、多くの交通事故死傷者を生み出すというマイナス面も存在するのである。自分が楽をしたいという欲望が(他)人の命よりも勝るということは、人間の本性なのだろうか。
 少なくともマイカーに対しては、取得しにくいシステムを構築する必要があると思っている。マイカーに対する税金は、高ければ高いほどいい。経済成長が横ばいでも、幸せが実感できる社会を目指すべきであろう。
  つくしんぼの詩
 「警察庁は17日、2012年の自殺による死者が前年より2885人(9.4%)少ない2万7766人だったと発表した。年間の自殺者数が3万人を下回ったのは、1997年以来15年ぶり。背景には、自治体や民間団体による自殺防止対策の広がりがある。(読売新聞より)」
 3万人を超えていた自殺者数が、3万人を割ったことは、ひとまず安堵である。自殺防止対策の効果が出てきているとしたら、それも有効であるということであろう。ただ、3万人を割った程度で喜ぶわけにはいかない。これからも、自殺に追い込まれる原因の低減が望まれるのである。
  虫尽し
 先日、少しばかり暖かくなった昼下がり、国道脇の歩道を歩いていた。降り積もっていた雪が除雪され、両脇には40~50cmの雪壁となっていた。
 ちょっと肩をすぼめて歩いていると、何か雪壁で蠢いている物に気が付いた。足を止め、一歩二歩引き返してよく見ると大きなオニグモの雌だった。長い脚が白い雪の壁で微かに動いている。歩道近くの下草で冬眠していたのが、除雪車に掘り起こされてしまったのだろう。オニグモにとっては、災難である。“寒いよね!”
  情報の小窓
『自我が硬くなったら「怒り」が生まれるのです。なぜなら、生きるうえではものを見たり聞いたりしなくてはいけないでしょう?ですから、生きることは世間とのコミュニケーションだといえるのです。しかし、ドゥッバチャの場合は、コミュニケーションを拒否しようとします。
 しかし、たとえ拒否しても、コミュニケーションをとらなくては生きられません。見ないぞ、と思っても、聞かないぞ、と思っても、何も見ずに、聞かずに生きることはできません。』
 サンガ新書「怒らないこと2」アルボムッレ・スマトサーラ著

Copyright (C) 2013 森みつぐ    /// 更新:2013年2月17日 ///