夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その147 発行日 2013年12月22日
編集・著作者     森 みつぐ
  季節風
 ときどき訪れる寒波で雪は降るものの、なかなか寒さが長続きしない。一日一日、日は短くなってきているが、その分、昼間、窓から差し込む日は、どんどん部屋の奥を照らしているのである。
 昨年から衰え気味のミカンの木は、すっかり葉っぱを落としてしまった。だんだん萎んでゆくのだが、枝からは新しい葉が伸び始めてもいる。遅れている冬は、これからである。何もかもが真っ白な雪が覆われてしまうのは、いつになるのだろうか。
  言いたい放題
 「労働者派遣制度の見直しを進める厚生労働省は12日、現在は派遣元の雇用形態にかかわらず、「最長3年」を原則としている派遣労働者の派遣期間について、条件を満たせば無期限で認めることを柱とする制度改正案を同省の労働政策審議会の部会に提示した。同省は審議会での検討を年内で終了し、来年の通常国会の労働者派遣法改正案を提出、2015年春の実施を目指す。(読売新聞より)」
 自民党政権は、またもや労働者派遣法を改悪しようとしている。グローバル経済で勝者になるためには、自国の中にどれだけ使い勝手のいい低賃金労働者を創り出すかである。アメリカ、ヨーロッパでは、移民たちがそれを担っている。中国では、地方の農民たちである。そして労動力の乏しい日本では、それを非正規労働者にして使い勝手のいい低賃金労働者としているのである。その法的根拠が、労働者派遣法となる。
 労働者を国民を2つのグループに振り分け、格差拡大に拍車をかけるのが労働者派遣法なのである。働いても働いても生活するのがやっとという人たちを、更に追い討ちをかけ固定化しようという法は、この世の中に何をもたらすのだろうか。企業の大多数が法令違反をしているという。そのような企業に、まだまだ多くの違法行為を免除しようとしている。
  つくしんぼの詩
 「厚生労働省は17日、若者の使い捨てが疑われる「ブラック企業」対策のため、今年9月に実施した集中取り締まりの結果を公表した。調査対象とした5111社のうち、82.0%にあたる4189社で、賃金未払いや違法な時間外労働といった違法行為が確認された。(読売新聞より)」
 私が思うに、82%は、まだまだ低いのではないか。調査を上手く擦り抜けた違法企業があり、95%に達するのではと、私は思っている。残念ながら性善説で企業と接することは、我が身を滅ぼすことになるだろう。それを回避するには、違法企業に溶け込むしかないということになる。
  虫尽し
 今年は、マダニが多かったように感じる。野山を歩くといっても、藪の中を歩き回っているわけではないのだが、ときどき衣服をチェックしないと危ない。赤い4〜5mmのマダニは、目立つので見つけやすいのだが、背中の方は見えないので厄介である。
 6月、林道を歩いていたら、前方から白い布を路傍の叢に垂らしながら歩いてくる人がいた。“何を採っていますか?”と訊くと、吸虫管の中に入ったいっぱいのマダニを見せてくれた。“何種類いるのか?”と訊けばよかったと後で思った。
  情報の小窓
『何でも頑張れば、その分ちゃんと返ってきます。もし、頑張っても思うように返ってこないなら、それは頑張り方が一方的でひとりよがりになっているのではないか、と今の私なら考えます。もし相手のあることなら、相手がわかってくれるような表現ができるように工夫するでしょう。
 コミュニケーションとは、発信する側に多く責任があるので、自分の想いが伝わらないのは相手が悪いからではなくて、わかるように伝えられていない自分の表現不足が原因だと思ってほぼ間違いありません。』
 幻冬舎新書「人はなぜ怒るのか」藤井雅子著

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