夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その150 発行日     2014年3月23日
編集・著作者       森 みつぐ
  季節風
 三寒四温が始まったら春を感じてくるのだが、今年は、その三寒四温が無いまま春を迎えそうである。この一か月間は寒気団が居座って、雪が融けずに降り積もる一方だった。ところがやっとここで気温が上昇してきて、平年並みまで回復してきている。
 歩道の雪は、かき氷みたいにザクザクの状態となっていて歩きにくい。融けた雪は路傍の硬くなった雪に阻まれて何処にも流れていかない。歩道から雪が消えるのは、今月いっぱいはかかりそうである。やはり土が顔を出さないと、…もうすぐ春。
  言いたい放題
 「温室効果ガスの削減対策を取らない場合、日本の平均気温は今世紀末に最大6.4度上昇。日本の砂浜は最大85%消失し、洪水や高潮による被害額は年間7400億円以上増えると指摘した。熱中症などによる死者数も2倍以上に増えるなど厳しい将来像を描いている。…(省略)…国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は昨年9月、「十分な対策を講じないと、今世紀末の世界の平均気温は最大4.8度上がる」とする予測結果を公表。研究チームはこのシナリオを基に影響を予測した。(読売新聞より)」
 地球温暖化の日本における詳細が発表された。昨年秋のIPCCによる最大4.8度上がるというのは衝撃的だったが、中緯度の日本では、さらに高くなって最大6.4度上昇すると予測している。私の住む札幌は、今、最も暑い夏となる西日本と同じような夏になるということである。でも冬は、札幌は高緯度なので、頻繁に寒波がやって来て大雪をもたらすことは想像がつく。四季がはっきりするというよりも、夏と冬の二季が行ったり来たりするように思われるのだがどうなるのであろうか。
 「2015年夏までに温暖化の被害を軽減する対策を盛り込んだ「適応計画」を策定する。(読売新聞より)」さてどんな対策となるのだろうか。利便性を求めるあまりに増え続けている個人の消費エネルギー、特に見直すべきは、温暖化対策のみならず、事故死傷者数の軽減のためにもマイカーの規制であろう。
  つくしんぼの詩
 2歳の男児が死亡したベビーシッターの事件は、ただただ唖然とするだけだった。インターネットの紹介サイトで、相手の名前と電子メールアドレスしか知らないのに、よく子どもを預けることができるものだと不思議でしようがない。どんな施設で、何処にあって、どんな人なのか知らないのである。
 絆、絆と絆の大切さを訴えるが、誰にも気付かれずに孤独死する人、見ず知らずの人に赤子を預ける人、すっかり地域のつながりは消え失せてしまったようである。その象徴が、隣に住む人の顔も知らないマンションなのかも知れない。
  虫尽し
 私の歩く定山渓の林道で見かけるマルハナバチは、エゾコマルハナバチ、エゾトラマルハナバチ、エゾオオマルハナバチやアカマルハナバチなどで、多くのマルハナバチが花々を訪れているのを見ることができる。6月ぐらいまで大柄の女王蜂、7月には小柄な働き蜂が飛び回る。そして秋には、雄蜂が加わってくる。
 外来種のセイヨウオオマルハナバチが各地で増えているようだが、定山渓では、まだ一度も見ていない。ただ親のところのエゾムラサキツツジの花に、一匹のセイヨウオオマルハナバチが訪れているのを見たことがある。ただ、網を持っていなかったが。
  情報の小窓
『このように、私たちはごく当たり前に「私」という主語を使っていますが、じつはこれが大問題です。「私」がいるから「他人」がいる。「他人」がいるから人間関係が生まれる。ほかの人間との競争に勝つためには、いろいろな能力を身につけなくてはならない…。このように、人生で出会う苦悩のほとんどは、「私」という自我が原因になっているのです。「私」があるから他者がある。それで「私」は苦しんでいるのです。
 一方「私」は、他者に助けられてようやく生きています。「私が、私が」といっても、実際には、ほかの生命のおかげで生きていられるのです。』
 サンガ新書「心は病気」アルボムッレ・スマナサーラ著

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