夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その153 発行日     2014年6月22日
編集・著作者       森 みつぐ
  季節風
 長雨が続いている。北海道では珍しく本州と同じように、鬱陶しい梅雨となっている。とはいっても気温は20℃前後なので、じめじめとした暑苦しさはなく、降る雨さえ気にしなければ過ごしやすい。
 札幌に戻ってきて8年目になるが、これまで母が世話をしている庭に植えられているシャクナゲに、花を咲かせているのを一度も見たことがなかったが、先週、雨の中、淡い桃色の花を咲かせているのを見つけた。これで、やっとこの庭に咲く花を全て見たことになった。
  言いたい放題
 安倍政権は、どうしても企業にとって都合のいい労働者を創り出そうとして悪知恵を絞っているようである。労働規制をグローバル経済を勝ち抜くための岩盤規制だと悪者に仕立て上げ、正義の使者である安倍首相がその岩盤をぶち壊すというパフォーマンスを演じようとしているのである。それに集団的自衛権行使の容認など、最近の安倍首相の下らない寸劇には辟易している。
 「非正規雇用で働く人たちの正社員への転換を促すため、政府が検討を進めてきた限定正社員制度について、厚生労働省が、企業が導入する際の指針案を固めた。焦点となっていた賃金については、就業実態に応じて均衡を図った上で、目安として「一般正社員の8〜9割」を示した。6月下旬に決まる政府の新成長戦略に盛り込む。(読売新聞より)」
 これまでの労働規制は、企業活動に不当な抑圧となる岩盤規制ではなく、労働者が人として幸せを得るために必要な最低限の労働規制でしかないのである。限定正社員というネーミングは、いったい何だろうか。今までだって、地域採用の正社員は、普通であったはずである。労働者に格差を設けることで、人件費を抑えてきた。それを正当化しようと画策してきたのが、安倍政権である。安い労働力をどう確保しようかと、今も画策し続けている。
  つくしんぼの詩
 最近、北海道のNHKでは、買物弱者についての報道が多い。自宅より500m以内に店舗がなく、マイカーなどの移動手段がない人たちのことである。大型スーパーが進出することによって、住宅の近くにあった店が閉店してしまい、買物弱者となってしまうのである。
 この定義からすると私も買物弱者である。1km以内には、スーパーはない。ただ今は、それを承知でここに住んでいる。でも10年後、20年後、私自身もどうなっているかどうかは分からないので、ここを終の棲家とは考えていない。マイカーによる車社会が、買物弱者を創り出してしまったのである。
  虫尽し
 6月初めの30℃を超える暑い日、定山渓の林道を歩いていた。2日前も別の林道を歩いていて、ミズナラの葉に、ウスイロオナガシジミの幼虫がへばりついているのを見つけた。ウスイロオナガシジミの幼虫は、葉っぱの上に陣取っているので、目につきやすい。
 今日も、ウスイロオナガシジミの幼虫を見つけた。ミズナラを食べるシジミチョウは多い。ときどき美味しそうなミズナラの木をじっと見たりしていると、あるとき枝を這い登ってゆく幼虫がいるのに気が付いた。アイノミドリシジミの幼虫である。その幼虫をじっと見ていると、その先の葉っぱには、なんとウスイロオナガシジミの幼虫がいた。
  情報の小窓
『人がある程度物理的な豊かさを求めるのは悪いことではありません。しかし、物理的な豊かさが生きる歓びを与えてくれると思うのは勘違いです。…(省略)…豊かさを求めて物を蓄積していくと、その重さに抑えられて、やがて自分が潰されてしまうのです。持ち運ぶ荷物がないほうが、心は軽く楽しいということを知っておきましょう。
 人生という旅は、物質的な豊かさを求める道ではなく、心の安らぎを求める道であるべきなのです。』
 集英社新書「小さな「悟り」を積み重ねる」アルボムッレ・スマナサーラ著

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