夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その156 発行日     2014年9月21日
編集・著作者       森 みつぐ
  季節風
 先日、早くも秋色の薄い藤色した大きなイヌサフランの花を見つけた。そして菊は、夏菊の仲間が初秋の庭を彩っている。これからが本番の秋の菊となるだろう。
 私の大好きなカンタンも束の間の晴れ間に、ルルルルルと単調ではあるが心落ち着く音色で鳴き続けているのを聴くことができる。夏の鳴く虫であるハネナガキリギリスは、雨が多かったせいか、私が通る道からは、その鳴き声を聞くことは、もうできなくなってしまった。そろそろ平地にも、紅葉が下りてくるのが近付いている。
  言いたい放題
 「働いた時間ではなく、「成果」に応じて賃金が決まる新たな成果賃金制度の導入について、労使代表と有識者で構成する「労働政策審議会」(厚生労働省の諮問機関)の分科会が10日開かれ、新制度の対象業務や割増賃金などの論点が出そろった。(読売新聞より)」
 経営者側の言いたい放題の内容となっている。その内容は、「研究職、技術職、市場調査担当者、高度専門知識を用いて新しいサービスや製品の導入を提案する業務。深夜、休日手当の原則は適用しない。健康確保は、個別企業労使が職場実態に合わせて行う。(読売新聞より)」である。これは、どう見ても自民党政府は、経営者側と一心同体となっているとしか思えない。
 労働に関する規制緩和は、いかにして企業にとって都合のいい安い労働力を確保するための規制緩和であることは、明々白々である。経済は好調であるというが、相も変わらず正規労働者は減少して、非正規労働者が増加し続けているのである。このような政策を取り続けている限り、国民の幸せは、遠のいてゆくだけだと私は思っている。
  つくしんぼの詩
 8月に長く続いた雨もやっと終わった。9月上旬、いつものようにジョギングしていた。車の往来が多い道路の歩道を走っていると、車道側にトンボがひっくり返っているのを見つけた。“ちょっと大きいな!”通り過ぎたがやはり確かめたくて、少し戻って手に取って見ると、タカネトンボだった。車に撥ねられて間もないと見えて、尾を少し曲げた。破損してないので、持ち帰ることにした。
 さらに走っていると、今度は、歩道にぺっちゃんこになったタカネトンボを見つけた。車に撥ねられ、そして自転車に轢かれたのだろう。次の週には、大きなオニヤンマが歩道で死んでいるのを見つけた。狭い歩道でもこんなにいるのだから車道上では、どれだけの犠牲が出ているか分からない。自動車に轢かれたら、跡形もなくなってしまうだろう。ドライバーは、虫を撥ねたなんて、これっぽっちも感じていないだろう。それが自動車である。
  虫尽し
 9月上旬、定山渓の林道を歩いていると林道上の水の流れにオニヤンマが巡回していた。“おっ!まだ元気にしている!!”と思いながら、歩を進めていると水の流れの真ん中で連結したオニヤンマがいるのに気が付いた。
 “産卵でもしているのかな?”と思ったが、なんだか違う。ごちゃごちゃと3匹がいるのである。“写真を撮らなくては!”と思い、カメラを向けて、まずは1枚とシャッターを押した瞬間散り散りに飛んで行ってしまった。呆けた画像を見ると、雄と雌の連結に、もう1匹の雄が割り込んできていたみたいである。動画で録りたかったね。
  情報の小窓
『いろいろ考えちゃって、「もうダメです」っていう人もいるけどさ、そうなったら、新しい道を見つければいいんだよ。考えすぎて自分を追い詰めて自殺をしようとする人だって、もうひと呼吸置いて、今までと違う道をポーンと見つけて、新しい道を歩んでいけばいいんだ。
 名人や、その世界で抜群だっていう人が、思い詰めて死んじゃうことも多いんだけど、もっと大きな自分というものを知っていれば、そんな簡単に死ぬことはないと思うんだよな。無理して背伸びしなきゃいけないって思うことはないんだよ。
 つらい時代になってくると、嘘をついて、裏切って、薄情になって、意地悪になって追っかけっこだもんなぁ。そんなの押しのけて、ひと呼吸して、でーんと構えてればいいんだよ。』
 PHP研究所「ムダなことなどひとつもない」酒井雄哉著

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