夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その157 発行日   2014年10月19日
編集・著作者       森 みつぐ
  季節風
 晴れの日と雨の日が、交互に矢継ぎ早にやって来るようになった。秋らしくなってきたかなと思っていたら、もう冬の便りが届くようになったのである。天気図には、西高東低の冬の気圧配置が現れ始めている。
 平地でも木の葉が色づき始め、落ち葉も路上を舞い始めた。先日まで晴れた暖かい日には、カンタンが鳴いていたのだが、もうその鳴き声も聞こえて来ない。またひとつ台風が通り過ぎていった。冬が近付いてゆく中、清楚な菊の花が咲いている。
  言いたい放題
 夏の終わり頃から、東京で熱帯起源の感染症デング熱が話題になった。そろそろウィルスを媒介するヒトスジシマカも活動を停止するので、今回のデング熱騒動も収束することだろう。今回のデング熱騒動で知ったことだが、毎年、日本で発症する人は、200人余りいるとのことである。
 多分これまでもデング熱を国内感染していたということは、高い確率であったことだろう。毎年200人がデング熱を罹病しているということは、かなりのものである。その患者だけで留められたとは、到底思えない。帰国時に発症していなければ、感染の予防処置を執ることは出来ない。私は、何十回もデング熱の蔓延する熱帯地方を歩き回ってきたが、幸いにもデング熱に罹ったことはなかった。帰国後、一度も熱が出たことはなかった。これは、ただ運が良かっただけなのだろうか。それとも、蚊に刺されるのは、人のいないジャングルの中だからだったからだと思われる。
 これからもデング熱騒動は高い確率で起きそうである。日本も地球温暖化の影響で、どんどん気温は上昇して熱帯化してきているのである。熱帯起源の感染症にかかるリスクは、どんどん上がってきている。
  つくしんぼの詩
 日本の子どもの貧困率(平均年収の半分以下の世帯)は、16.3%だという。若い女性の貧困をNHKが取り上げていた番組もあった。先日の読売新聞には、独り身の高齢女性の深刻化する貧困についての記事が載っていた。
 一昔前まで総中流社会であった日本、いつからこのようになってしまったのだろうか。格差社会は定着し、さらに拡大する方向に進んでいる。グローバル経済を推し進めれば推し進めるほど、格差社会は確かなものとなってゆく。それが、世界の潮流だというのであろうか。
  虫尽し
 日本には7種類のスズメバチの仲間がいるが、未だに1種類を見たこともなかった。その1種類は、全国にいるのだが、残念ながら出会ってない。それは、社会寄生性のチャイロスズメバチである。(最近、外来種1種類が対馬に進出してきている)
 9月、定山渓の林道を歩いていた。秋の装いを深めてきた山林を歩いていると、路傍の叢に黒っぽい蛾らしき虫が飛んでいるのを見つけた。“何かな?”と思い網を振ると、その中には、茶色いスズメバチが大人しく入っていた。“ラッキー!!”
  情報の小窓
『ただ、抑圧の意識下の難しさはここにもある。つまり不機嫌な人は自分が不機嫌であると認めない。そういう意味では、他人の自分に対する態度に不満の多い人は、抑圧があると言ったほうが分かりやすいかも知れない。他人の自分に対する態度に不満ばかりの人は、実際の自分は自分が思っている自分とは逆かも知れないと反省してみる必要がある。結局自分を分からない人は他人も分からない。』
 PHP研究所「自分に気づく心理学」加藤諦三著

Copyright (C) 2014 森みつぐ    /// 更新:2014年10月19日 ///