夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その165 発行日   2015年6月21日
編集・著作者    森 みつぐ
  季節風
 甘い香りを漂わせてきたニセアカシアの白い花も、もうそろそろ終わりに近付いてきた。木の周りの地面は、散ったクリーム色の花で覆われている。こんもりとした森林に、ぽつりぽつりと白く目立つ大木も、まもなく緑に覆われる。
 今年は、エゾハルゼミの啼き聲があまり聞こえて来ない。まだ啼いてはいるのだが、少ないので遠くから風に乗って、微かに聞こえてくる程度である。このエゾハルゼミの季節も、まもなく終わり、次のエゾゼミが啼き始めるまで、一月以上も空白期間となってしまう。草地では、ヒナバッタが鳴き始めている。
  言いたい放題
 国会で焦臭い匂いがするようになり、私としては非常に危惧していた。「衆院憲法審査会は4日、立憲主義などをテーマに、各党が推薦した3人の憲法学者を招いて参考人質疑を行った。自民、公明両党などが推薦した長谷部恭男・早大教授は、集団的自衛権の限定行使を可能にする安全保障関連法案について、「憲法違反。従来の政府見解の基本的論理で説明がつかないし、法的安定性を大きく揺るがす」と指摘した。…(省略)…与党推薦の参考人が安保関連法案を「憲法違反」と指摘したことについて、自民党内では波紋が広がった。(読売新聞より)」
 日本は、先の大戦の結果、不戦の誓いをしたのではないのか。抑止効果云々という議員たちもいるが、一度戦闘が始まったら、抑止効果なんて意味もなく、一気に戦闘が広がる。そのような場に、戦力として違憲の自衛隊が置かれるのである。圧倒的な抑止効果を持つ核兵器だって、その抑止力は怪しい。
 力で相手をねじ伏せようとする従来の方法で世界の安定を作ることは出来ないことは、2度の大戦や世界各地で勃発している紛争で、もう既知の事実ではないだろうか。それが今の趨勢だからといって、日本もその争いの場に武力を持って乗り込むなんて、愚の骨頂であろう。そんな普通の国に、なる必要はない。好戦的な動物である人間だからこそ、日本には、非常に難しいが違う道を歩いて欲しいものである。
  つくしんぼの詩
 6月15日、銀行ATMに長蛇の列ができていた。昼前に大型スーパーに寄ったところ、入り口付近は、こんな有様だった。いつも偶数月の15日は、ATMに並んでいる人は多いのだが、今回は、更に多かったように感じる。
 これも年金情報の流出事件に起因するのだろう。年金が唯一の収入の高齢者にとっては、大問題である。死活問題に発展するかも知れない。ハイ・リスク、ハイ・リターンのインターネットの世界、便利差を享受する分、ハイ・リスクでは不安は募るばかりであろう。
  虫尽し
 6月になると定山渓の林道は、柔らかい若葉もしっかりした葉になり、春に孵化した幼虫たちも、そろそろ終齢となり目立つようになる頃である。この時期は、林道を歩くのを楽しみにしている。“今年は、どんな幼虫を見つけられるかな?”と。
 ハンノキの葉に、ガの幼虫を見つけた。“この幼虫を持って帰ろう!”と思い、写真を撮っていたら、その近くの葉裏に、シジミチョウらしき幼虫を見つけた。“ラッキー!”ミドリシジミの幼虫である。もう1匹見つけて持ち帰ったが、…2匹ともヤドリバエに寄生されていた。去年から、寄生されている幼虫ばかりである。
  情報の小窓
『欲求不満耐忍度ということがいわれる。どれだけ不満に耐えられるかということである。欲求不満耐忍度の低い人は、ほんの少しでも自分の思うようにいかないことがあると、すぐにイライラして怒り出す。些細なことでとり乱す。
 それは依存性と不安の問題である。不安な人ほど欲求不満耐忍度は低い。依存心が強くて不安な人は、いつもイライラしている。』
 PHP研究所「「不機嫌」になる心理」加藤諦三著

Copyright (C) 2015 森みつぐ    /// 更新:2015年6月21日 ///