夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その168 発行日   2015年9月20日
編集・著作者    森 みつぐ
  季節風
 あちこちで木の葉も潤いを失ってきて、そして色づき始めてもきている。ナナカマドの実も色づき始め、オレンジ色になってきた。これからもっと濃くなって真っ赤に熟して来ることだろう。夏の花も終わり、秋の花が花壇を賑わしている。色とりどりのコスモスが秋風に揺らめいている。そして菊の花も咲き始めてきた。
 今年は、ハネナガキリギリスが鳴いている場所が少なかったせいか、なかなかその鳴き声も聞こえて来なかったが、今は、カンタンの繊細な鳴き声があちこちから聞こえてきている。
  言いたい放題
 安保法案が国民の声を封じたまま成立した。安倍首相は、「国民を守るため」と言いながら、国民の声に耳を傾けないで結論有きで進めてきている。衆参での審議は、ただ単に審議をこれだけ尽くしたというアリバイ作りでしかなく、多くの有識者からの憲法違反の声にも、廃案を求める国民の声にも全く意に介さず、「国民を守るため」というワンフレーズを唱えているだけである。
 「国際情勢が変化する中、今や一国のみで平和を保てない」と言うが平和憲法が制定された時も、それ以前も、それ以後も、国際情勢が安定していたときなんてなかったのではないか、今更何を言わんかである。最近の国際情勢の変化をもたらした主原因は、そもそも圧倒的な武力を保持する先進国に問題があるのではないか。一国のみで平和が保てないから国連(問題は数多くあるだろうが)が存在するのではないか。武力を前面に打ち出すのではなく、平和を保つためにやるべきことは山ほどあるだろう。
 武力で威圧し、武力で抑止効果を期待するとしたら、中国や北朝鮮と何ら変わらなくなってしまう。武力と武力との対峙は、いつか必ず武力衝突に発展するだろう。それは、今までの歴史が物語っている。これからは、法廷で、そして来夏の参院選へとつながってゆく。
  つくしんぼの詩
 「敬老の日を前に厚生労働省は11日、100歳以上となる高齢者が今月15日時点で、6万1568人(前年度比2748人増)の上ると発表した。6万人を超えるのは、初めてで、女性が87%を占める。今年度中にちょうど100歳を迎える高齢者は3万379人(前年度比1022人増)で初めて3万人を突破する。(読売新聞より)」
 本当に長生きして良かったと思える世の中になって来ているのだろうか。年金は減らされ、非正規雇用のままで独立できない子供たちの面倒をいつまでも見ることになり、生きることもままならない高齢者が増えているという。敬老の日とは、その日だけのことなのだろうか。
  虫尽し
 コバエ(キイロショウジョウバエ)がいくら注意していても、部屋の中に入り込んで来る。今週は5匹退治したが、他にも最低1匹は、何処かに身を隠している。毎年8月以降に私の住む4階の部屋にも現われるのだが、今年は、初めて6月早々に部屋内で繁殖したらしく、根絶するのに一月以上もかかってしまった。
 今は、例年通りにコバエがやはりやって来ている。ただし、繁殖できないように生ごみをブロックしているので、部屋内で殖えることはない。それにしても週1回の洗濯日にベランダに出るだけで、こんなにコバエが入ってくるのだろうか。
  情報の小窓
『自分の意見がなくて多数派にいる人と、自分の意見があるために孤立している人とでは、どちらが強いであろうか。
 おそらく、その時点でのその組織の中での力は、多数派にいる人であろう。
 しかし、長い人生で心理的挫折がなくて生き延びられるのは、孤立している人のほうである。
 個人としての強さは、その組織での中での力ではなく、自分の意見があるがゆえに孤立している人である。』
 PHP研究所「不安のしずめ方 人生に疲れ切る前に読む心理学」加藤諦三著

Copyright (C) 2015 森みつぐ    /// 更新:2015年9月20日 ///