夢惑う世界 草紙<蜃気楼>
夢惑う世界 蜃気楼 その170 発行日   2015年11月22日
編集・著作者    森 みつぐ
  季節風
 国道のイチョウは、やはり鮮やかに黄葉する前に落葉してしまった。自動車による廃熱や排ガスの影響によるものだろう。殆どの木は葉っぱを落とし、冬への準備は既に終わっていて、あとは真っ白な雪を待つだけである。
 民家の庭も雪囲いがされて、冬の準備は容易万端である。ただ菊は、まだ咲いているし、これから咲こうとしている菊もあるが、その前に雪が降って来そうだ。雪が降り積もれば、来春まで色とりどりの花々は御預けとなる。
  言いたい放題
 「パリ同時テロを受け、フランスのオランド大統領は16日夕、上下両院合同議会で演説し、テロを実行したイスラム過激派組織「イスラム国」掃討に向け、米国とロシアなどに協力を呼びかけた。「イスラム国」が拠点とするシリアへの空爆などで連携し、国際的な「イスラム国」包囲網を強化する狙いだ。英仏などは16日、テロ組織の打倒に向けた国連安全保障理事会決議案の提出に向けた調整に入った。(読売新聞より)」
 多くの犠牲者を出したパリ同時テロ、ISの犯行である。エジプトで起きたロシア旅客機の墜落もISによる爆弾テロと断定した。シリアやイラクで展開するISが、攻撃を加えてくる国に対して、報復のテロ行為に力を入れ始めているようである。ISは明らかに国家ではなくテロ集団である。この問題は、当事者だけの有志連合で対応するのではなく、早く国連で一致した対応が求められるのではないだろうか。このような行為を国連が見過ごしてはならない。
 ISは、何故、武器を持ち続けることができるのだろうか。世界では、今でも軍事力を増強することで国威をひけらかす国がある。軍事力の優勢を保つため、新しい武器をどんどん作り上げている。人を殺すための武器を手にして、抑止のために必要だと言い張る国もある。そのような武器がISのようなテロ集団に渡り、そして人は殺されてゆく。これからも殺戮の歴史は繰り返されるのだろう。
  つくしんぼの詩
 グローバル経済が世界中にはびこる前、日本は総中流社会だった。その頃、日本において子どもの貧困について、それほど深刻に考えるようなことではなかった。日本よりも海外の子どもたちを救うことの方が先決だと思っていたのである。
 ところがである。経済の低成長時代に突入して、グローバル経済がじわじわと日本にも浸透してきた。企業は、労働者を正規雇用から非正規雇用へと置き換えてゆき、どんどん不安定雇用者を増やしていった。その結果、子どもの6人に1人が貧困となってしまった。社会の不安定さを国が率先して作り上げてきているのである。今も、その流れは変わらない。
  虫尽し
 今年のコバエのシーズンは終わったようである。私が生ゴミを出すのは、1週間に1回なので、コバエ(キイロショウジョウバエ)が産卵すると、ゴミを捨てる前にぞろぞろと羽化することになる。今年は、例年の8月よりも早く出現したが、対策が上手くいって発生することはなかった。
 今年、6月にコバエが部屋内にいるのを見つけた。いつもより2か月も早い。これはまずいと思ってどうにか掴まえてみると、肉類を好むオオキモンノミバエであった。また新しい敵ができてしまった。
  情報の小窓
『「いい人」 も「まじめな人」も、その心の裏にはだれからも好かれたい、嫌われたくないという気持ちが働いているものです。そのような気持ちに突き動かされて他律的に「いい人」や「まじめな人」を演じてしまうと、結局は自己を失ってしまうことになります。それよりも、私は私、私は正直に自分のペースで生きるということの方がずっとたいせつです。つまり他人の評価に依存し過ぎないということです。』
 PHP研究所「なぜ「いい人は」は心を病むのか」町沢静夫著

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